声優と俳優が織りなす朗読の世界
人気声優たちが文豪・司馬遼太郎の作品を朗読する「川口技研 Presents 司馬遼太郎短篇傑作選」が、2024年10月からついに第13期(SEASON 13)を迎えました。この番組は、OBCラジオ大阪とTBSラジオで同時放送され、毎週土曜日の18:00から18:30にお届けされます。
この新しいSEASONでは、「もう一度聴きたい、司馬遼太郎短篇傑作選」というテーマのもと、リスナーから過去の放送作品の中で再度聴きたい短篇小説を募集。その結果を基にした放送作品が決まり、視聴者の期待を掻き立てています。特に注目すべきは、第4作の朗読を担当する竹下景子さん。彼女の声がどのように物語に命を吹き込むのか、そのすべてが楽しみです。
第4作『人斬り以蔵』
SEASON 13の第4作として、放送される作品は司馬遼太郎の『人斬り以蔵』。岡田以蔵は土佐藩の足軽の子として生まれ、独学で剣術を学んできた青年です。彼は、武市半平太の道場でその才能を見出され、江戸に剣術留学となりますが、次第に歴史の渦に飲み込まれ、その運命は悲劇的です。以蔵の壮絶な生きざまは、司馬遼太郎の硬質な筆致と相まって、聴く者に深い印象を与えます。
親友であり、同士でもあった武市は土佐勤王党を結成し、以蔵もその一員として活躍。彼の生き様には痛みと矛盾、そして大義が入り混じり、聞き手を惹きつけてやみません。しかし、時が経つにつれ、捕らえられ、最終的には信念にも亀裂が生じる彼の物語には、感情移入せざるを得ません。この作品には、悲劇の中に光もあれば、闇もあるという、先人たちの生き方への考察が詰まっています。
朗読を担当する竹下景子さんは、その経験豊富な演技力を活かして、以蔵というキャラクターをどのように表現するのか注目が集まります。彼女自身も作品について強く感じるところがあり、初回の朗読を担当した中井和哉さんとの違った「以蔵」像を楽しんでもらえたら嬉しいとコメントしています。
竹下景子さんのプロフィール
竹下景子さんは1953年生まれで名古屋市出身。東京女子大学を卒業後、1973年にNHK文学ドラマ『波の塔』で女優デビューを果たします。以降、映画『男はつらいよ』シリーズや舞台『学校』などで高い評価を受け、多くの賞を受賞してきました。さらに彼女は、国際活動にも積極的に参加し、愛・地球博の日本館総館長を務めたり、さまざまなワクチン活動にも貢献しています。慈善活動においても著名な彼女の多才さが感じられます。
今後の放送は、2025年3月29日までの全9回にわたり、リスナーに素晴らしい作品を届け続けることになります。竹下景子VS司馬遼太郎という、まさに声と文の真剣勝負が繰り広げられるこの番組をお見逃しなく!