博報堂DYホールディングス、AI活用による新CM自動生成ツールを発表
東京都港区に本社を置く博報堂DYホールディングスが、同グループの研究部門「Human-Centered AI Institute(HCAI)」を通じて、広告視聴質データを活用した「CM企画&映像(Vコン)自動生成ツール」を開発しました。この新たなツールは、生活者の注視状況を1秒単位で数値化したREVISIO株式会社のデータを基にしています。この取り組みは、広告制作における効率化や提案力の向上を目的としており、すでに社内での概念実証(PoC)が始まっています。
広告制作の課題を解決
これまで、CM制作においては、生活者の広告を引きつけるためのアイデアを考えることや、企画資料、絵コンテ(コンテ)を手作業で作成するために多くの時間を要していました。この新しいツールは、REVISIOの独自データを基に、博報堂のマーケティング知見、そしてアンドデジタルの生成AI技術を融合することで、これらの課題を解決することを目指しています。具体的には、CM制作の過程での業務の効率化やデータに基づいた提案力の強化が期待されています。
自動生成ツールの主な機能
1. 企画・字コンテの自動生成
博報堂のクリエイティブディレクターが持つ独自の発想手法を学習した生成AIが、キャッチコピーの案からCMの企画や演出構成、さらには細分化した字コンテまでを自動生成します。これにより、クリエイティブ視点を取り入れた高いクオリティのコンテンツが短時間で制作可能となります。
2. 効率的なデータ活用と分析
REVISIOが保有する生活者の広告視聴質データをもとに、注目度が高い広告の特徴を分析し、その成功要因を把握できます。この情報は、新たなクリエイティブ企画に活かされ、より効果的な広告戦略を立てる手助けとなります。
3. 映像コンテンツの自動生成
アンドデジタルの生成AI技術を利用し、生成された企画案や字コンテに基づいて、絵コンテや映像(Vコン)を自動生成します。これにより、企画の初期段階から多様なクリエイティブ案を迅速に検討することが可能になります。
AI技術の先端研究へ向けた取り組み
博報堂DYグループでは、2024年4月にAIに関連する先端研究や技術開発を推進する「Human-Centered AI Institute(HCAI)」を設立します。この組織を中心に各グループ企業が協働し、AIの活用によって「人間の創造性の進化・拡張」を目指す取組が進められています。本プロジェクトもこのビジョンを具体化する重要なステップとなるでしょう。
今後の展望
今後、博報堂DYホールディングスは最先端AI技術を積極的に取り入れ、データとクリエイティブの融合を進め、新たな価値を創造していくことを予定しています。これにより、クライアントのマーケティング活動を力強く支援し、業界への貢献を果たしていく所存です。新しいCM制作の形として、AIにより生まれる可能性に目が離せません。