加藤財務大臣、物価高対策や財政健全化の方針を強調
加藤財務大臣、物価高対策や財政健全化の方針を強調
令和7年6月13日に行われた加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣の閣議後記者会見では、物価高対策についての見解が語られました。特に、野党が提唱する消費税減税や現金給付の政策について、様々な角度からの分析が展開されました。
各党の公約とその影響
記者からの質問で、参院選に向けた各党の公約が出揃いつつある中で、物価高対策として多くの野党が消費税の減税を打ち出しているという指摘がありました。加藤大臣は、特定の政党の公約には言及しないものの、消費税減税の効率性に疑問を呈しました。彼によると、消費税の減税は幅広い国民の負担軽減にはなり得るものの、高所得者層にも恩恵をもたらすため、実際には物価高に苦しむ低所得者への支援としては効率が悪いという見解を示しました。
現金給付の可能性
また、現金給付の提案に関しても、政策の目的や内容によって制度設計が異なるため、一概には評価しきれないと説明しました。加藤大臣は、政策の目的に基づいた適切な設計と費用対効果を念頭におく必要があるとし、物価高対策には多様な政策を総動員すると強調しました。
経済と財政の両立
加藤大臣は、経済と財政の健全化を両立させる必要があるとし、経済再生があってこその財政健全化との認識を持っていると述べました。名目GDPの増加や高水準の賃上げが見られる中、成長型経済の実現が重要であると指摘し、特に中小企業の生産性向上や価格転嫁を支援する必要があるとしました。
財政運営の方向性
さらに、骨太方針に関する議論も交わされ、プライマリーバランスの黒字化を目指す期間の見直しが行われていることが報告されました。加藤大臣は、財政運営において市場の信認を確保することが不可欠であり、目指すべき健全化に向けての取り組みを続けていく意向を示しました。今回の方針では、債務残高対GDP比をコロナ前の水準に引き下げる方向性が盛り込まれており、加藤大臣はその実現に向けた努力を続けると宣言しています。
地域経済の支援
最後に、福島県のいわき信用組合の新体制に対する期待にも触れ、新役員には不正の原因究明や組織風土の見直しを通じて地域からの信頼を回復することが求められていると述べました。金融庁としてもしっかりとした業務改善を確認・検証していくとの姿勢を明らかにしました。
加藤大臣は、経済と財政の両立を目指し、柔軟かつ中長期的な展望を持った施策を展開することで、物価高対策や地域経済の支援に貢献する意思を示しています。