No IDとサバが贈る新たなヒップホップの旋風
アメリカの音楽シーンにおいて、特にヒップホップは絶えず進化し続けるジャンルですが、その中でも特に注目すべきコラボレーションが実現しました。グラミー賞を受賞したプロデューサーNo IDと、シカゴ出身の名ラッパーサバが初のジョイントアルバムをリリースしたのです。このアルバム、『From The Private Collection Of Saba And No ID』は、ARTium Recordings/Pivot Gang Records, LLCから配信されています。
シカゴのヒップホップシーンで「ゴッドファーザー」とも称されるNo IDと、今最も注目を集めるサバがタッグを組むことで、どのような音楽が生まれるのか、多くのヒップホップファンが期待を寄せていました。その期待を裏切ることなく、アルバムの内容はヒップホップの可能性を感じさせるものでした。
アルバムの特徴
メディアでは、ComplexやVultureなどがいち早くこのアルバムに対する賛辞を贈っています。アルバムは、予想以上のボリュームとなり、当初のミックステープから15曲入りのフルアルバムに発展しました。世代を超えたラップファンが共感できる内容に仕上がっており、まさにヒップホップの真髄を感じることができます。
オープニングトラック「Every Painting Has A Price」から始まり、続く曲「Breakdown」や「Woes Of The World」、さらに「head.rap」へと至る流れは非常に魅力的で、時間の経過をテーマにしたメタファーが巧みに表現されています。特に「BIG PICTURE」のビートは、サバの展開するテーマと見事に調和し、聴く者を惹きつける力を持っています。
制作の背景
このアルバム制作の過程は、遠回りという言葉がぴったりの道のりでした。「ミックステープのつもりでスタートしたが、気がつけば多くの時間をかけてアルバムに仕上がった」とサバは振り返ります。彼にとって、このアルバムは個人的な思いを反映した作品であり、特に叔父の死が影響を及ぼしました。その再検討のプロセスは、彼の音楽性に新たな深みを与えました。サバは「もう一度やり直してみようと猛省させられた」と語り、自身の内面的な葛藤を作品に組み込んでいます。
お互いの活動
また、No IDとサバはこのプロジェクトを進行しながらも、それぞれのキャリアでも注目すべき成果を上げています。サバは2024年初めにヴァリー&ハリー・フラウドとのコラボレーション「Watermelon Automobile」に参加し、その後ナセントやダックワースとの新曲も発表しています。一方No IDは、ビヨンセのグラミー賞受賞アルバム『COWBOY CARTER』に共同プロデュースとして参加し、音楽シーンでの存在感をさらに強化しています。
結論
No IDとサバによるこのアルバムは、両者の個性と才能が融合した力作と言えるでしょう。ヒップホップの未来を担う二人が生み出した新しい音楽の形に、ぜひ触れてみてください。いま、この『From The Private Collection Of Saba And No ID』が配信されているので、聴き逃しのないようにしたいところです。新たなリリース情報やビデオクリップも要チェックです。彼らの音楽が、ヒップホップの新しい時代を切り開くことを期待して。
公式リンクから、是非アルバムを聴いて、その魅力に浸ってみてください。
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