心に寄り添う絵本『グランド・フィーリング・ホテル』
東京書籍株式会社が2025年10月17日にリリースした『グランド・フィーリング・ホテル』は、著者リディア・ブランコヴィッチが描く新たな子供向け絵本です。この作品は、異なる感情を持つキャラクターたちが宿泊するホテルを舞台にしており、彼らの個性に合ったおもてなしを届ける支配人の物語です。翻訳は人気ユニットtupera tuperaが担当し、30カ国語以上で楽しむことができるのが特徴です。
個性豊かなキャラクターたち
グランド・フィーリング・ホテルには、感情を擬人化した「オキモチさま」が宿泊しています。たとえば、オイカリさまはその激しい感情ゆえに、壁がひび割れるほどの大声を上げることも。彼にはいくら広い部屋が必要でしょう。一方で、静かにやさしいカナシミさまは、話を聞くためには耳をすます必要があり、聞き逃すとバスルームを涙でいっぱいにしてしまうという特徴があります。
このように、各キャラクターたちは楽しさや厄介さを持ち合わせていますが、ホテルではどのオキモチさまも心から歓迎され、追い出されることはありません。この寛容さが、物語の大きなテーマの一つです。
読むたびに心温まるストーリー
物語は、各オキモチさまに合わせたおもてなしを通じて、彼らの気持ちを理解し、受け入れる大切さを教えてくれます。子供たちが自分の感情と向き合うきっかけともなり、何度も読みたくなる楽しい一冊です。イラストの魅力もさることながら、平易な言葉で描かれるストーリーが親子での読み聞かせにも適しています。
著者と訳者の紹介
リディア・ブランコヴィッチはベルリンを拠点に活動するイラストレーターで、2022年に絵本デビューを果たしました。彼女の作品は、現地の批評家たちから絶賛を受けており、『グランド・フィーリング・ホテル』も30以上の言語に翻訳され、幅広い読者に愛されています。次作絵本『Circus of Shadows』は2024年にも出版予定です。
一方、翻訳を担当する
tupera tuperaは、亀山達矢と中川敦子からなる二人組で、2002年から活動を続けています。彼らの作品は絵本にとどまらず、教育番組のアートディレクションなど多岐にわたります。数々の受賞歴を持ち、特に『わくせいキャベジ動物図鑑』では日本絵本賞大賞をザクっと受賞しています。
書籍情報
『グランド・フィーリング・ホテル』は、文庫価格1980円(本体1800円+税10%)、A4判、全32ページの内容です。購入は
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結論
心の状態をおもてなしするホテルの物語は、子供たちに大切なメッセージを届けてくれます。感情を理解し合い、共感を育むこの絵本は、親子でのかけがえのないひとときを提供し、読むたびに新たな発見があることでしょう。