新興出版社啓林館が飲食業に新展開
創業80年の歴史を持つ教科書出版社、新興出版社啓林館が、その100%子会社である「株式会社HiRAKU」により、2026年8月25日にうどん割烹「麻布十番うどん割烹ぼけかす」を東京の麻布十番にオープンします。これまで、教育と文化を言葉で支え続けてきた同社は、食を通じて新たな文化体験を提供することを目指しています。
教育出版社の挑戦
啓林館は、長年にわたり教科書や教材を通じて日本の教育に貢献してきました。その企業理念の一つには「楽しく豊かな社会の実現」があります。そこで教育の枠を超えて、あらゆる人々に触れてもらえる食の体験を創造したいと考え、2023年10月に子会社HiRAKUを設立しました。自社が培ってきた文化貢献の姿勢を、飲食業を通じて実践していくことを決めました。
食は人が集まる場所を提供し、共に時間を過ごす文化的な営みでもあります。啓林館は教育を支えるだけでなく、より身近な形での文化貢献ができる「食の文化」に目を向けたのです。
特に注目されたのが、大阪のソウルフード「かすうどん」です。大阪に本社を置く啓林館は、この未だ知られていない美味しさを多くの人に体験してもらいたいという強い思いがあります。そして、身近な料理であるうどんを通じて、日本の和食文化の理解を深めることも期待されています。
店舗の概要
新店舗の「麻布十番うどん割烹ぼけかす」は、麻布十番駅から徒歩1分の好立地に位置し、全14席の小ぢんまりとした空間でお客様を迎えます。営業時間は午後5時から翌朝3時まで、料理の提供はコース料理と夜のアラカルトが用意されています。特にこだわりを見せるのは、その出汁の香りです。五感が解放され、心身がほぐれるような落ち着いた環境の中で、特別なひとときを提供します。
店名の由来
店舗名「ぼけかす」には、深い意味が込められています。「ぼけ」とは心を落ち着かせる余白を作ること、「かす」は厳選された「かす」の旨味を楽しんでもらうことを表します。この二つを融合させ、静かな食環境を提供することが「ぼけかす」のコンセプトです。
出汁のストーリーを重視し、料理を通じて季節感を感じることができる一手間を大切にしています。最初は「ほどき出汁」で始まり、季節の料理を楽しみ、最後は「かすうどん」で締める、一期一会の体験が提供されます。
食文化の未来へ
代表取締役社長の佐藤弘人氏は、今後の展望について語っています。まずは一店舗の成功を基に、より多くのかすうどん専門店を展開し、さらには国内外にも進出したいとの思いがあるといいます。その際、店舗展開以上に注力しているのは、教育関連事業を支える形での地域連携です。農業に関する教育機会を提供することで、食と教育の架け橋となる取り組みを進めています。
「ぼけかす」を入口に、地域の生産者や子どもたち、様々な文化をつなぎ、食文化を育てていくことを目指しているのです。啓林館の新たな挑戦に注目が集まります。