小島秀夫のエッセイ集が復刊
ゲーム界の巨匠、小島秀夫氏のエッセイ『創作する遺伝子僕の体の70%は映画でできている』が、11月28日に発売される。この作品は、小島氏が創作活動の根本にどのように「映画」「本」そして「旅」を位置づけているのかを深く掘り下げた一冊で、ファン待望の内容となっている。
映画が作り上げた小島秀夫
小島氏は、自身の創作を語る際に映画を欠かすことはできないと述べる。「人が水なしでは生きられぬように、私は映画を生きるために摂取する」と記す彼の言葉には、映画が彼の人生や創作にどれほど重要な影響を与えているのかが表れている。このエッセイ集では、彼自身が影響を受けた映画作品への偏愛や洞察が綴られており、映画好きならずとも楽しめる内容が盛り込まれている。
決定版エッセイ集
本書は、伝説的なエッセイ『僕の体の70%は映画でできている小島秀夫を創った映画群』を核に、2016年以降に発表された多様な原稿を交えた集大成だ。従来の内容だけでなく、新たに書き下ろされた「おわりに」では、コジマプロダクションが創立10周年を迎えた感慨やその意義についても語っている。480頁にわたるこのボリュームは、小島氏の思いを余すところなく届ける。
小島秀夫の魅力
小島氏は、1987年にゲームデビューを果たし、以降「メタルギア」シリーズを通じて、ステルスゲームという新しいジャンルを確立した。彼の作品は常に挑戦的な試みを続けており、その姿勢は多くのファンを魅了してきた。さらに、彼自身はゲーム制作だけにとどまらず、映画や文学にも豊富な知識を持ち、エッセイにおいてもそれを存分に発揮している。
近年、小島プロダクションは「The Game Awards 2019」で3部門受賞するなど、彼の名声はゲーム業界にとどまらず、広範な文化的影響をもたらしている。2020年にはBAFTA最高の栄誉であるフェローシップ賞を受賞し、2022年には芸術選奨文部科学大臣賞も受賞した。
本書を手に取るべき理由
このエッセイ集は、小島氏の視点から見た映画と文化の関係を深く知ることができるだけでなく、読者自身も小島氏の文化的遺伝子を受け継ぐ一員となれる気がする。彼の愛情あふれる言葉の中には、映画への情熱や創作に対する真摯な姿勢が垣間見え、創作に興味のある方や小島氏のファンにとっても、非常に価値ある資料となるだろう。
新潮文庫から発売される本書は、価格880円(税込)という手頃な価格設定も魅力の一つだ。映画や本を通じて小島氏の世界観を探索しよう。この機会に是非手に取ってみてほしい。詳しい情報は
こちらから確認できる。