心を和ませる『いもむしずんずん』の世界
このたび、絵本『いもむしずんずん』が新たに出版されました。この絵本は、蝶々の幼虫、つまりいもむしが主役として登場し、まっさらな心を持つ子どもたちに楽しみと学びを与えます。表紙には、キアゲハのいもむしちゃんが大胆に描かれており、これから始まるストーリーへの期待感を煽ります。
伊佐久美の独創的な視点
『いもむしずんずん』を手がけたのは、伊佐久美さん。彼女は、以前に『タコとだいこん』を出版し、講談社絵本新人賞を受賞するなど、その才能が認められている作家です。また、2作目の『おおきくなったリス』では、シュールな視点から描かれたリスの一日が印象的です。本作でも、彼女の独特なデザイン感覚と風刺的な視点が表現されています。
この作品が生まれるきっかけは、ある日、料理の準備をしている最中に見かけた野菜に付いていたキアゲハの幼虫でした。興味を持った伊佐さんは、そのいもむしを自宅で育てながら観察し、その経験をもとにこの絵本を構想しました。コラージュ技法を取り入れた温かみのあるアートと、リズミカルな文章が融合した作品となっています。
楽しさ満載のストーリー
物語は、いもむしちゃんが山を下り、橋を渡り、高速道路を果敢に走り抜ける様子が描かれています。その旅の行く先を知りたくなり、思わずページをめくってしまいたくなることでしょう。「ずんずん、ずんずん」というリズミカルなフレーズは、声に出して読んでみると、まるで踊るように響きます。このような親しみやすいリズムは、大人にとっても子どもにとっても魅力的です。
私自身、この手の幼虫は少々苦手ではあるものの、伊佐さんの作品から受ける印象は非常に心和むものでした。「苦手!」と感じる親たちにも、お子様と一緒に楽しむことができる一冊としてぜひお勧めしたいです。どこかシュールで愛らしいいもむしちゃんの冒険を通して、子どもたちの感受性を豊かに育んでくれることでしょう。
絵本を手に取るお勧めの理由
いもむしちゃんは旅を続け、多くの出会いや冒険を経験します。その過程で、子どもたちは好奇心を持ち続け、周囲の世界を探検する楽しさを学べるはずです。また、本書のアートスタイルは、観察力や想像力を刺激すること間違いなしです。
ぜひ手に取ってみて、いもむしちゃんのその後の行く先を見届けてください。大人も子どもも、一緒に楽しめるこの素晴らしい旅に出かけましょう。
新刊『いもむしずんずん』は、講談社から出版されています。価格は本体1,600円(税別)で、手軽に購入できる本格的な作品です。親子での読書タイムにぴったりな1冊となっています。リンクはこちら:
いもむしずんずん
これからの季節にぴったりな『いもむしずんずん』。心に響く言葉と美しいイラストがどんな情景を生み出すのか、ぜひ多くの方にお届けしたいと思います。