第9回大藪春彦新人賞受賞作品発表
作家・大藪春彦氏の名を冠した「大藪春彦新人賞」の第9回選考が、2025年10月29日に株式会社徳間書店で開催され、年度の受賞作品が決定しました。この賞は、大藪春彦氏の業績を称えるために設立されたものです。
今年度は353作品の応募があり、厳正な審査を経て、2つの作品が栄えある賞を受賞しました。選考委員には、著名な作家である今野敏氏、馳星周氏、徳間書店文芸編集部の編集長が名を連ねました。
受賞作品と受賞者
津村正俊『怖い部屋、怖い男』
受賞者の津村正俊氏は、大阪府出身の62歳の作家です。彼の作品『怖い部屋、怖い男』は、400字詰め原稿用紙換算で72枚に及ぶ短編小説です。この作品は、怖さをテーマにした巧妙なストーリー構成が評価され、選考委員たちの心を掴みました。
寺田勢司『穴を穿つ』
もう一人の受賞者は、41歳の寺田勢司氏で、石川県出身です。彼の作品『穴を穿つ』は、400字詰め原稿用紙換算で76枚と長編に近い作品で、その内容には特異な視点が盛り込まれており、深い思索を促す作りになっています。
贈賞式と副賞
両受賞者には、2026年3月に行われる第28回大藪春彦賞の贈賞式で賞状が授与される予定であり、副賞として100万円が贈られます。この場で2作品の作者が改めて祝福されることになるでしょう。
新たな試み「映像化奨励賞」
昨年度からは「大藪春彦新人賞 映像化奨励賞」が新設され、こちらも注目の的です。この賞は、映像化にふさわしい作品に贈られます。特別選考委員として映画監督の白石和彌氏が参加し、最終候補作品の中から選ばれました。
春名洋服『潜水艦カブト』
その映像化奨励賞には、春名洋服氏の『潜水艦カブト』が選ばれました。彼は48歳で兵庫県出身、作品は400字詰め原稿用紙換算で80枚となっており、特異な視点と斬新なアイデアが詰まった作品です。映像化の可能性にも期待が寄せられています。
まとめ
このように、今年も大藪春彦新人賞は新たな才能を発掘し、業界を盛り上げる素晴らしい結果となりました。来年の贈賞式が待ち遠しいですね。受賞作品や作家たちの今後の活躍にも注目していきたいと思います。彼らの作品がどのように映像化されていくのか、その過程も楽しみにしています。
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