新シリーズ「海外文学の屋根裏部屋」創刊
2026年11月、河出文庫より新たな海外文学シリーズが始まります。その名も「海外文学の屋根裏部屋」。このシリーズは、著名な翻訳家の柴田元幸氏と岸本佐知子氏による厳選された12作品を紹介するもので、月ごとに1作品ずつ復刊していく形となっています。
柴田さんと岸本さんは共に1980年代から現在に至るまで、海外文学の翻訳や紹介に携わってきた実力派。彼らの選んだ作品は、豪華さと同時に、読者が深く考えさせられる内容になることは間違いありません。
注目の第一弾作品
シリーズの第一弾には、マキシーン・ホン・キングストン著による『チャイナタウンの女武者』が選ばれました。この作品は、アメリカ生まれの中国人女性の視点から、家族の記憶や複雑な文化的背景を描いています。その深みと美しさは、読み手に強烈な印象を与えることでしょう。
続く作品も魅力的で、12月にはクライヴ・バーカーの短篇集『ミッドナイト・ミートトレイン』、1月にはポール・ラファージの『失踪者たちの画家』、2月にはジュディ・バドニッツの『空中スキップ』をラインナップに控えています。
編者のコメント
それぞれの作品を選定した理由について、柴田さんと岸本さんは以下のように述べています。柴田さんは、『チャイナタウンの女武者』の魅力として、アメリカと中国の文化が交差する点や女性の視点を重視した点を挙げています。彼はこの作品を通じて、従来の見方を見直すことの大切さを伝えたいとのこと。
一方、岸本さんは『ミッドナイト・ミートトレイン』の持つリリカルな側面に注目。グロテスクで不気味な短編集ながらも、心に残る要素が詰まった作品として、特に最終話「丘に、町が」を推しています。
そして、ラファージの『失踪者たちの画家』は、不思議なエピソードが次々に展開する物語。柴田さんはその独特な世界観に魅了され、是非とも多くの人に読んでもらいたいとコメントしています。最後に、岸本さんによる『空中スキップ』は、不思議なアイデアを具現化する力が素晴らしく、その独自の感性を称賛しています。
新しい文学体験を
このシリーズを通じて、まだ日本で味わうことのできなかった名作たちを、柴田さんや岸本さんの深い洞察と共に体験することが可能になります。彼らが選んだ作品の中には、過去の文学を新しい視点で読み直すきっかけとなるものも多く、文学ファンにはたまらない内容となるでしょう。
新しいリリースに目が離せない「海外文学の屋根裏部屋」。来るべき作品たちが、私たちの心の扉をどのように開いてくれるのか、今から楽しみでなりません。