ヤマハとローランドが手を組み新たな映像制作の形を提案

ヤマハ株式会社が発表した新たな技術連携により、映像制作と音響操作の効率が格段に向上します。プロフェッショナルソリューション事業を展開するヤマハと、映像機器の老舗メーカーローランド株式会社とのコラボレーションが実現し、両社の機器がシームレスに連携。これにより、ユーザーは高品質のコンテンツ制作が一層容易に行えるようになります。

DM3シリーズとV-80HDの概要

ヤマハの「DM3シリーズ」は、デジタルミキシングの分野での高い技術を誇るコンパクトなデジタルミキシングコンソールです。最大96kHzのサンプリングレートに対応し、18種類の優れたエフェクトを2系統搭載。迅速なセットアップを可能にする豊富なプリセットが用意されており、9インチのタッチスクリーンを活用して直感的に操作ができます。軽量なデザインながらも、プロの現場に必要な性能を兼ね備えています。

一方、ローランドが提供する「V-80HD」は、小型のビデオ・スイッチャーで、プロフェッショナルな映像制作に対応。持ち運びが容易で、さまざまな機器との接続が可能。多彩な映像形式に対応し、本格的な映像演出を行うことができます。

連携による新たな操作性

今回の技術連携により、ユーザーは「V-80HD」から「DM3シリーズ」のミキシング設定を記憶したシーンメモリーを呼び出すことが可能に。更に「DM3シリーズ」側から「V-80HD」のオーディオミキサーのフェーダーレベルやミュートボタンを操作できます。これにより、映像と音響の両方を一つのコンパクトなシステムで簡単にコントロールできる環境が実現しました。

実際のメリット

この新しい連携により、複雑な操作が減少し、効率的なコンテンツ制作が可能となります。また、イベントやライブストリーミングにおいても、迅速な対応が求められる場面での負担が大幅に軽減されるでしょう。装置を一つに集約することで、単独のオペレーターでも高品質な音と映像の制作ができるようになりました。

開発の背景と今後の展望

ローランドのLive Production事業部長、服部宏平氏は、「多くの現場で活用されている両機種のコントロール連携は、映像・音響演出のクオリティ向上だけでなく、オペレーションの効率化にもつながる」とコメントしています。また、ヤマハのプロフェッショナルソリューション事業部長、Thomas Hemery氏も「新たなコラボレーションにより、現場でのワークフローを大幅に強化する」と期待を寄せています。

この機能連携は、6月5日公開の「V-80HD」の最新ファームウェアのアップデートによって利用可能に。さらに、2025年6月11日から13日まで、米国フロリダ州オーランドのオレンジカウンティコンベンションセンターで開催される、世界最大級のプロAV機器見本市「InfoComm 2025」での展示も予定されています。

この連携を活用することで、ユーザーは最高の音と映像の質を一つの操作環境で享受できることとなり、今後のイベント制作や配信がよりスムーズに進むことでしょう。