飛騨市が「健康寿命をのばそう!アワード」で最優秀賞を受賞
岐阜県飛騨市が、厚生労働省とスポーツ庁が主催する「第13回健康寿命をのばそう!アワード」で、生活習慣病予防分野において厚生労働大臣最優秀賞に選ばれました。この受賞は、地域の健康促進に向けた取り組みが高く評価された結果です。
減塩活動のすすめ
飛騨市の受賞内容は、地域の食文化を活かした減塩プロジェクト「今日も『まめなかな!』減塩食品・料理の普及活動による食環境整備」です。この活動は2019年から2024年まで続けられており、地元企業と連携して新たな減塩中華そばの開発が行われました。
このような取り組みは、飛騨市が抱える健康課題を克服するための第一歩でした。市は過去に高血圧の患者が多く、特に平成30年には県内で最悪の状態でした。尿中の塩分測定を通じて、塩分の過剰摂取の実態が明らかになり、減塩への取り組みが急務とされました。
課題を乗り越えるための戦略
高血圧の方が多い飛騨市ですが、隣接する市が減塩プログラムで成果を上げていることに着目し、さらなる改善を目指すことが決まりました。日本高血圧学会のアドバイザーである野村善博氏への相談が、より効果的な減塩策のスタートとなりました。
実施した具体的な取り組み
減塩のための環境整備は、小売業、飲食業、製造業と連携して進められています。特に飛騨のソウルフードである中華そばの減塩品は、市の取り組みのシンボルとして採用されました。また、茂住菁邨氏による「減塩」の書を用いた販促物を配布し、一層の啓発に努めています。
さらに、市の保健師による血圧測定イベントや、メディアの取材を通じて、市民の関心を喚起する活動も行われ、健康に対する意識が高まりました。
受賞の裏側にある成果
飛騨市の取り組みの成果は着実に表れています。特定健診における高血圧者の割合は、2018年9.2%から2022年には4.3%に減少し、全国的な水準へと近づいています。この成果は、市民への啓発と連携による成果といえるでしょう。
2023年には健康寿命も男80.3歳、女85.0歳と年々延びており、減塩活動がその一翼を担っていることがわかります。
未来への展望
飛騨市の取り組みはまだ始まったばかりです。今後も減塩食品を市民が増やしやすい環境の整備を続け、さらなる健康づくりを推進していくことを目指しています。飲食業とも連携し、新しいメニュー開発に向けて引き続き取り組んでいく方針です。
飛騨市民が一丸となって健康課題に取り組んでいく姿勢は、住民だけでなく他地域にも良い影響を与えると期待されています。今後の飛騨市の活動に注目が集まります。
お問い合わせは、飛騨市役所市民福祉部市民保健課まで。電話番号0577-73-2948、メールアドレスkenkou@city.hida.lg.jpまで。