津久井やまゆり園事件から10年
2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者支援施設「津久井やまゆり園」で発生した事件から、今年で10年が経過しました。この大きな節目を迎えるにあたって、株式会社ヘラルボニーが新たな映像作品を制作しました。代表取締役の松田崇弥と松田文登が率いるこの企業は、心の声を聴くというテーマで、社会的な障害者への偏見や差別を見つめ直す試みを行っています。この作品は、神奈川県が推進する「ともに生きる社会かながわ憲章」や「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例」に基づいた啓発活動の一環として捉えられています。
映像のメインテーマは、「発語の有無にかかわらず、全ての人に宿る鼓動」を声として捉えることです。もしかしたら、私たちが普段聞き逃しがちな「日々の営みの音」に、いのちの尊厳が込められているのかもしれません。この映像作品では、コムアイによるナレーションの元、日常的な音を蓮沼執太氏が楽曲に編曲していきます。これにより、生きていることの意味を再考する機会を提供し、私たちが向き合うべきは単なる言葉の存在だけではなく、いのちそのものだと訴えかけます。
映像のタイトル
新たに制作された映像のタイトルは「ハートビート・ボイス津久井やまゆり園事件から10年、心の声を聴く」です。これは、事件によって失われた尊厳を取り戻し、すべての人々の中に存在する鼓動に耳を傾けることを目的としています。
制作の背景
この映像は、発語の有無にかかわらず、全ての個人の存在には確かな「鼓動」があるというメッセージを持っています。映像の中では、施設の日常生活から収集された息づかい、足音、物音といった「音」が重要な役割を果たしています。これらの音を通じて、私たちの心に響く「生きている証」を感じ取ることができるでしょう。
さらに、この映像制作の過程では、対話を通じたコミュニケーションを大切にしながら、いのちの尊厳や共生のビジョンについて考察しています。この10年間の記憶を忘れることなく、未来につなげるための努力がなされています。
公開予定
映像作品「ハートビート・ボイス」は、2026年7月26日に一般公開される予定です。テレビ神奈川で放送されるほか、神奈川県公式YouTubeチャンネル「かなチャンTV」での配信も予定されています。この作品を通じて、多くの人々にいのちの尊厳と共に生きる社会の重要性を再認識してほしいと願っています。
ROUTINE RECORDSについて
ヘラルボニーが運営する「ROUTINE RECORDS」は、知的障害のある人々の日常生活の音に注目した実験的な音楽レーベルです。日常から生まれる音を音楽として再構築することで、障害者と一般社会の垣根を取り払おうとしています。この取り組みは、障害に対する偏見をなくす一環であり、全ての人々が持つ「声」に耳を傾けることの重要性を訴えています。過去の取り組みとして、様々なアーティストやイベントとのコラボレーションも行っており、多角的なアプローチで障害と音楽の新たな可能性を追求しているのです。
この映像作品が、障害者支援の在り方を再考するきっかけとなり、社会が一層共生に向けて進むことを願っています。その姿勢が根付くことで、より良い未来が築かれることを信じて。
これからもヘラルボニーの活動に注目していきたいと思います。