驚愕の真実を描いた『ブラック郵便局』
郵便局は私たちの日常に浸透した存在であり、その利便性から多くの人々に信頼されています。しかし、そんな信頼の裏側で、過剰なノルマやパワハラ、さらには自死という暗い現実があるとは、多くの人に知られていないことでしょう。そんな郵便局の実態を明らかにする『ブラック郵便局』が、2025年2月17日に新潮社から刊行されます。著者は西日本新聞社の記者、宮崎拓朗さんです。
驚愕の内容
本書は、2007年の郵政民営化から17年にわたり、約2万4000局、そして30万人以上の職員を擁する巨大組織で何が起きていたのかを徹底的に取材したものです。著者は2018年の夏から現場の様子を記録し始め、局員たちからの訴えを丁寧に聞き取りました。
「もう限界です」。
局員たちのこの言葉には、彼らが日々抱える苦悩が凝縮されています。特に注目すべきは、過剰な営業ノルマです。
ある局員は、「年賀はがきの自爆営業で100万円くらい身銭を切った」と証言しています。このような無理な営業が常態化することで、精神的なストレスは増加し、場合によっては自死を選ぶ局員も出てしまうのです。
暴かれる組織の闇
さらに、パワハラの問題も深刻です。上層部からの圧力や、内部通報をした結果、村八分のような扱いを受けることも珍しくありません。このような風潮が、信じがたい光景を容認させてしまう組織風土を育てているのです。
加えて、政治との癒着も明るみに出されます。著者によると、局長会が会社の経費を政治活動に流用し、8億円もの金額が不正に活用されていることも問題視されています。こうした事実は、郵便局という組織が官民の狭間にいることで生じたものであり、いびつな状況を作り上げています。
書籍の構成
『ブラック郵便局』は以下の章から構成されています:
1. 高齢者を喰い物に
2. “自爆”を強いられる局員たち
3. 局長会という闇
4. 内部通報者は脅された
5. 選挙に溶けた8億円
6. 沈黙だけが残った
これらの章を通じて、著者は読者に郵便局の真実を伝えようと努めています。さらに、本書には「はじめに」も収録されており、読者はその概要を試し読みすることも可能です。
著者宮崎拓朗さんについて
宮崎拓朗さんは1980年に福岡市で生まれ、京都大学を卒業後、西日本新聞社に入社しました。社会部や報道部で様々な取材経験を積んだ後、2018年から日本郵政グループに焦点を当てた取材を開始し、数々の賞を受賞しました。彼の取材は、困難な状況にある局員たちの声を代弁するものとなっています。
最後に
私たちの生活に密接に関わる郵便局。そこに働く人々がどのような環境で日々奮闘しているのか、ご興味がある方はぜひ本書を手に取ってみてください。著者は、郵便局の未来について考えるきっかけになってほしいと願っています。