イーユン・リー、珠玉の短編集『水曜生まれの子』発表
作家イーユン・リーが13年ぶりに新作短編集『水曜生まれの子』を発表します。この待望の作品は、2025年2月21日に河出書房新社から発売され、税込価格は2,695円です。イーユン・リーは、数々の文学賞を受けた著名な作家で、特に短編小説においてその存在感が増しています。
作品の概要
『水曜生まれの子』は、作家生活20年の集大成となる3冊目の短編集で、表題作の「水曜生まれの子」はマザーグースの童謡からインスピレーションを受けた作品です。この短編集には、喪失や孤独をテーマにした11編が収められています。
「月曜生まれは器量よし、火曜生まれはお上品、水曜生まれは悲しみにくれ……」という童謡の流れを借りることで、リーは一層物語の深さを出しています。特に興味深いのは、表題作が著者の実生活と重なる部分がある点です。物語の中で母親が亡き娘に向けて心の声を叫ぶ様子が描かれており、心に沁みます。
短編集の魅力
本書には、イーユン・リーが手掛けた最新作から過去の作品まで、厳選された11編が収められています。収録作品の中で最も古いものは2009年の作品で、最も新しい作品は2023年に書かれたものです。つまり、14年間に渡る彼女の文学的成長が、詰まった珠玉の短編集となっています。
収録タイトルは以下の通りです:
- - 水曜生まれの子 (Wednesday's Child)
- - かくまわれた女 (A Sheltered Woman)
- - こんにちは、さようなら (Hello, Goodbye)
- - 小さな炎 (A Small Flame)
- - 君住む街角 (On the Street Where You Live)
- - ごくありふれた人生 (Such Common Life)
- - 非の打ちどころのない沈黙 (A Flawless Silence)
- - 母親に疑わせて (Let Mothers Doubt)
- - ひとり (Alone)
- - 幸せだった頃、私たちには別の名前があった (When We Were Happy We Had Other Names)
- - すべてはうまくいく (All Will Be Well)
受賞歴と評価
イーユン・リーは次々と評価の高い賞を受けており、2022年には短編小説に対するPEN/マラッド賞を受賞しました。また、2024年のピューリッツァー賞の最終候補にも名前が挙がっており、ロサンゼルス・タイムズ文学賞フィクション部門でも受賞作として期待されています。批評家たちは、彼女の作品が新しい視点で日常の苦悩を描写していると絶賛しています。
海外での書評でも、作品の優れた点やテーマがしばしば強調されています。例えば、タイムズ誌では「彼女の登場人物には容赦がなくとも、悲しみの中に笑いも見つけられる」と評価されています。そうした多層的なテーマを探求するリーの力作は、読者の heartsを深く揺さぶることでしょう。
まとめ
イーユン・リーの短編集『水曜生まれの子』はその深いテーマ性とユーモアのセンスで、読者を引き込むこと間違いなしです。ぜひ2025年2月21日の発売日をお楽しみにしてください。悲しみとユーモアが交錯する珠玉の短編集に触れ、新たな世界に浸りましょう。