夢を叶えた後に見えたのは、幻だった
アルベルト・ピッツォは、イタリア・ナポリ出身のピアニストであり、近年では東京を拠点として活躍しています。彼は2年前のApril Dreamの日に、自身の音楽的な夢を語り、その夢を2年の間に実現させました。具体的には、アビー・ロード・スタジオでのレコーディングとその楽曲が映画やドキュメンタリーで使われることでした。この夢を叶えた彼が今、率直に感じていることとは一体何なのでしょうか。
実績と「幻」
アルベルトは昨年、大阪・関西万博のイタリア館テーマソング「Sky」を作曲しました。さらに、ヤマハコンサートグランドピアノCFXのアンバサダーとしても活動しており、2025年にはオリジナル曲を収録したアルバム『Skylight』の発売を予定しています。また、NHKドラマの楽曲提供やカーネギーホールでの公演も果たし、彼の音楽キャリアは順風満帆に見えます。
しかし、彼はこれらの実績に満足していないと言います。むしろ、夢を実現した結果、彼は「幻のような感覚」を抱くようになったのです。
自己内省と孤独
「夢はみんなの中にある。しかし、ねじれた考えや悪い考えが先行してしまうことがある」と彼は語ります。アルベルトは夢の実現が成功に変わる瞬間に、何かが形を変えていくのを感じています。彼は「自分自身の成長に安心感を持てず、常にネガティブな考えが付きまとっている」と語り、幼少期の体験が今の自分にどのように影響を与えているか自問自答し続けています。
日常のストイックさ
アルベルトの日常は、ストイックな練習に満ちています。毎朝、必ずピアノに向かい、コンスタントにテクニックの向上を図り、いくつかのバロック曲やクラシックの名曲を弾き続ける姿勢は、音楽家としての彼の情熱を物語っています。さらに、彼はレッスン、生徒との交流、創作活動を日々のルーティンに組み込んでいます。
音楽表現の場を求め、世界の大舞台で演奏する夢を実現した彼ですが、常に「できると思う?」と自問自答しているのです。彼にとって、その問いには深いメッセージが込められています。
音楽の意義
彼の音楽活動には大きな意義があると言います。音楽を通じて、今を生きる人々と繋がりたい、そして自身が死後も音楽で生き続ける人々のためになりたいと強く思っているのです。もしかしたら、夢を叶えることは形作られた過去ではないのかもしれません。アルベルトは「夢は完成しない。到達し、破壊され、再生される」と言い、彼の音楽はその過程の一部であるとのメッセージを伝えています。
未来に向けた希望
彼の音楽の道は、決して楽ではありません。しかし、彼はその道を歩み続けることに意味を見出しています。音楽が持つ力を信じ、境遇を超えて多くの人々に伝え、人々と音楽を通じて繋がりたい彼の姿勢は、聴く者に共感を呼び起こします。
アルベルト・ピッツォの音楽的旅路は、まだ始まったばかりです。悲しみや困難を抱えながらも、彼の音楽には希望が詰まっています。今月号の「ショパン」では、彼の特集記事も掲載される予定ですので、是非お見逃しなく。
近日のコンサート情報
Skylight〜光が差し込むその一瞬を求めて〜
2026年5月8日(金)14:00開演(13:30開場)
銀座ヤマハホール
出演:アルベルト・ピッツォ(ピアノ/作曲)など
チケット詳細は
こちら
今回は、特別ゲストとして秋川雅史との再共演もあり、様々なジャンルを楽しめるコンサートです。この機会に、ぜひ彼の音楽に触れてみてはいかがでしょうか。