日本文学に新たな風を吹き込む「第10回文化庁翻訳コンクール」
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)が主催する「第10回文化庁翻訳コンクール」が、2025年6月1日から応募を受け付けます。このコンクールは、文化庁からの委託に基づき、日本文学の優れた翻訳家を発掘・育成することを目指しています。
文化庁翻訳コンクールの目的
文化庁翻訳コンクールは、日本の多様で豊かな活字文化を国外に広めるための一環です。現代文学と古典文学の2つの部門で行われ、前回から新しく設立された古典文学部門も含まれています。
現代文学部門の対象言語は英語とスペイン語であり、課題作品には井上荒野著の小説『二十人目ルール』が選ばれています。一方、古典文学部門では井関隆子の『井関隆子日記』が選定されており、英語での翻訳が求められます。
賞金と評価の目安
各部門および各言語には、最優秀賞と優秀賞が用意されています。最優秀賞には100万円が授与され、優秀賞にはそれぞれ25万円が支給されます。このような高額な賞金は、日本文学の魅力を海外に伝える翻訳家を育成するための大きな励みとなるでしょう。
過去の受賞者からは、ポリー・バートン氏やサム・ベット氏など、国際的に著名な翻訳家が誕生しています。彼らは日本文学を世界に広める役割を果たしており、今回のコンクールも新たな才能を発見する重要な場となることでしょう。
審査委員の顔ぶれ
審査には、国内外で活躍する日本文学の専門家が揃っています。現代文学部門の審査委員には、翻訳家や文学評論家が参加し、古典文学部門にも著名な研究者が名を連ねています。この豪華な審査体制が、応募作品の質を高める要因となります。
応募資格と注意点
応募に際しての資格は、年齢や国籍を問わず誰でも参加できます。ただし、翻訳作品の単行本(共訳も含む)の出版経験がある場合は応募できません。雑誌やアンソロジーなどでの掲載経験は認められていますので、これから翻訳の道を志す方々にとっては大きなチャンスです。
応募方法と詳細
応募期間は2025年6月1日13:00から6月30日23:59まで。詳細な応募方法や公募要項については、公式サイトを確認することが必要です。
文化庁によるこの事業は、翻訳家の育成にとどまらず、国内外の出版社による作品の海外展開を支援することも目指しています。
お問い合わせ
文化庁翻訳コンクール事務局へのお問い合わせは、指定のE-mailアドレスを利用してください。応募に関する質問などは、件名に「文化庁翻訳コンクール応募」と明記することでスムーズに対応してもらえます。
今後の日本文学を支える新たな翻訳家の登場に期待です。ぜひこの機会を逃さず応募してみてはいかがでしょうか。
以上が、第10回文化庁翻訳コンクールに関する詳細ですが、文学を愛し、翻訳を志す皆さんの挑戦をお待ちしております。