子どもたちと依存症に向き合うための実用書が登場
現代の子どもは、ゲーム、スマホ、市販薬、エナジードリンクといった様々な依存対象に囲まれています。2026年7月29日、株式会社主婦の友社から発売される実用書『「うちの子、依存症?」と気になったら知りたいことが全部のってる本』は、そんな悩みを抱える保護者に向けた一冊です。この本では、依存の現状や影響、親がとるべき具体的な対策が紹介されています。
子どもたちの依存対象の変化
親世代の子どもたちに比較して、現在の10代は手軽にアクセスできる依存対象が増えています。特にエナジードリンクや市販薬に対する依存が深刻です。勉強や部活動によるストレスを軽減するためにエナジードリンクを消費する子どもが多くなっていますが、カフェインが疲労を隠すだけであり、心身にマイナスの影響を及ぼすことが懸念されています。本書では、16歳以下の子どもにはエナジードリンクを避けることを強く推奨しています。
また、市販薬の過剰摂取も増加しています。日本で行われた2024年の調査によれば、依存症の治療を受けた10代の71.5%が市販薬を使用していたことが明らかになりました。これらの現象は、「不良文化」から派生したものではなく、学校や家庭でのストレスを抱えた健全な子どもたちの心の叫びとして受け止める必要があります。
親が陥りがちなNG対応
つい厳しく叱責してしまう親が多いですが、子どもにとって依存対象は、生きるための「杖」になっています。そのため、子どもの生活から突然奪ってしまうことは、解決にはならず、逆に子どもを孤立させる結果になってしまいます。
以下は親がやりがちなNG対応と、その影響です:
- - 「すぐにやめなさい!」 ⇒ 激しく怒ってゲームを奪うと、子どもは親の感情を恐れ、隠れて使うようになります。
- - 「私の育て方が悪かった」 ⇒ 自責の念を抱え、親に余計な負担をかけまいと悩みを隠します。
- - 「どうせ関心を引きたいだけ」 ⇒ 子どもに「愛されていない」という印象を与え、心の傷を深めます。
親子の絆を深めるための対話術「PIUS」
本書では、「ダメ、ゼッタイ」と禁止するだけでなく、安全に依存症について話せる関係を築くための「PIUS(ピウス)」というコミュニケーション術を提案しています。これは、親が子どもに寄り添い、理解し、支え合うことを促す手法です。具体的には:
- - Positive:依存行動をしていない時、肯定的な言葉をかけて応援します。
- - Imessage:心配する気持ちを主語にして子どもに伝えます。
- - Understanding:依存行動についてジャッジせず、理解を示します。
- - Share:子どもの抱える生きづらさに責任を分担し、支えとなることを伝えます。
自傷行為の理解と対応
さらに本書では、増加するリストカットについても触れています。自傷行為は、自己治療の一環としての側面があります。それは単に注意を引くためではなく、心の痛みを身体に置き換えようとしている切実なサインです。
依存問題に対する包括的なアプローチ
「友人・恋人との人間関係」「推し活」「美容」や「大麻」に対する依存など、現代の子どもたちに共通する課題についても言及。依存症が強まるのは、人間関係のストレスや孤独が大きな要因です。正しい知識を持つ親が、家庭を安心できる場所へと変えることが、予防と回復への近道です。
著者プロフィール
この本は、精神科医である松本俊彦氏が監修しています。彼は日本での依存症研究に精通し、数多くの著書を持つ信頼できる専門家です。
書籍情報
- - 書名:『「うちの子、依存症?」と気になったら知りたいことが全部のってる本』
- - 発売日:2026年7月29日(水)
- - 定価:1760円(税込)
- - ページ数:192ページ
- - ISBN:978-4-07-463289-6
親がこの本を通じて子どもとのコミュニケーションを改善し、依存問題に立ち向かうための役立つ情報が得られることを願っています。