杉特別防犯対策監が茨城町で特殊詐欺防止を呼びかけ
2024年12月19日、警察庁特別防犯対策監の杉良太郎氏が茨城県茨城町を訪れ、特殊詐欺被害の防止を目的とした講演を行いました。この訪問では、町長との懇談や地元交番への激励が行われ、特に青葉中学校においては生徒たちに向けた特別授業が行われました。
特殊詐欺の現状
杉対策監は、特殊詐欺問題の深刻さを指摘しました。今年11月時点で、SNSを用いた投資詐欺やロマンス詐欺の被害総額が1000億円以上、さらにオレオレ詐欺など特殊詐欺の被害も約600億円に達していることが明らかになっています。特に、海外からの電話を利用した詐欺が増えており、今後の対策が急務とされています。
「住民の皆さんが安心して暮らせるよう、電話番号を自動で遮断する無料制度を活用してほしい」と杉氏は強調し、NTTのナンバーディスプレイやナンバーリクエストの無償化制度、そして国際電話の利用停止の普及を訴えました。
生徒に向けたメッセージ
茨城町立青葉中学校では、杉監が生徒たちに特殊詐欺の実態を分かりやすく説明し、自身の祖父母が詐欺に巻き込まれる危険性について話しました。「ナンバーディスプレイを申し込んで、大切な家族を守ってほしい」と彼は親を通じての注意喚起を促しました。
また、杉監は「闇バイト」という言葉の軽さを問題視し、「これらは決して軽いバイトではなく、犯罪だ」と警告。自身が刑務所を訪問した際の体験を交え、生徒たちに強いメッセージを送りました。「安易に犯罪に加担すると、取り返しのつかないことになる。逮捕され、場合によっては一生を台無しにすることになる」と真剣に訴えました。
講演の反響
質疑応答の時間では、生徒から「今後も特殊詐欺や犯罪者募集は増えると思いますか?」との質問が。これに対し、杉対策監は、「特殊詐欺は電話から始まる犯罪であり、電話の遮断対策が広まれば被害は減少する。しかし、警察は常に犯人を追い続け、特殊詐欺を根絶するために活動し続けます」と力強く答えました。
講演を受けた生徒からは、「『闇バイト』の軽視がいかに危険かを実感しました」、「SNSの利用や詐欺に対してもっと注意を払わなければならない」といった声が上がりました。これにより、杉監のメッセージは生徒たちの心に深く刻まれたといえます。
プロジェクトチームの取り組み
杉監の訪問に伴う講演は、特殊詐欺防止に関する全国的な取り組みの一環です。プロジェクトチーム『ストップ・オレオレ詐欺47 ~家族の絆作戦~』は、オレオレ詐欺などの特殊詐欺に関する知識や対策を広める活動を行っており、全国47都道府県警察と協力し、様々な啓発活動を実施しています。
このような活動は、地域での防犯意識を高めるために不可欠です。今後も杉監のような取り組みが多くの地域で広がり、特殊詐欺被害の撲滅が進むことを期待したいと思います。