未来につながるデザインの力を育む一冊
2025年6月26日、株式会社マイナビ出版から、博報堂デザイン代表である永井一史氏が手掛けた子ども向けデザイン書『14歳からはじめるデザイン』が発売されることが発表されました。この本は、特に中高生を対象としており、保護者や友人へのプレゼントとしても最適です。デザインを通じて知識を得るだけでなく、実践的な課題解決力やコミュニケーション能力を育む内容が特徴です。
デザインが持つ4つの「生きる力」
本書では、デザインが子どもたちに与える「生きる力」として、創造力、問題解決力、コミュニケーション力、共創力の4つを挙げています。これらの力を身につけることで、子どもたちは不確実な時代を生き抜くための重要なスキルを手に入れることができます。「生きる力」とは、単なる知識を超え、自分で課題を見つけ、考え、判断し、行動できる力の集約です。
社会の課題をデザインで解決
永井氏は、数々のブランディングプロジェクトに関わり、特にヘルプマークのデザインを手がけたことで知られています。このプロジェクトは、外見からは判断できない困難を抱える人々を支援するためのもので、恥ずかしさや判断の迷いの中で席を譲ることが難しいという現実に着目しました。そこで創り出された「ヘルプマーク」は、その象徴として「+(プラス)」と「ハート」を組み合わせたシンボルを用い、視覚的な手がかりとして機能しています。
デザインは身近にあるもの
「デザインは特別な人のものではなく、日常生活の中から自然に生まれてきたもの」と語る永井氏。身の回りの問題を「気づき」、アイデアを考え出し、試行錯誤しながら改善していくプロセスこそがデザインであると強調しています。本書では、単に物の形をデザインするだけでなく、日常生活全般をより良くするための考え方や手法を具体的に解説していきます。
目次と内容の充実
本書の目次は以下の通りです。
1. デザインってなんだろう
2. デザインはいつも生活のそばにある
3. 色・文字・形・体験から世界を見てみよう
4. 創造性について考えてみよう
5. デザインする方法を知ろう
6. 日常をデザインしてみよう
7. これからの社会とデザイン
8. この本を読み終えたみなさんへ
Appendix: デザインを探究学習に活かす
このように、さまざまなテーマを取り上げており、読者は多角的にデザインを学ぶことができます。デザインが生活のすぐそばにあることを実感し、力を育てていく機会を提供してくれることでしょう。
著者のプロフィール
永井一史氏は、多摩美術大学統合デザイン学科の教授としても名を馳せています。博報堂に入社後、ブランディングを専門に携わり、2003年にはHAKUHODO DESIGNを設立しました。ヘルプマークなど多くのプロジェクトで成功を収め、近年では東京都「東京ブランド」のクリエイティブディレクターを務めるなど、デザイン業界でのリーダーシップを発揮しています。
書誌情報
- - 書名: 14歳からはじめるデザイン
- - 著者: 永井 一史
- - 定価: 2,585円(税込)
- - 発売日: 2025年6月26日
この一冊が、多くの子どもたちにデザインの楽しさとその力を伝え、未来を豊かにする手助けとなることを期待しています。