食をテーマにした初の夫婦合作エッセイ
人気画家の山口晃氏と彼の妻、梅村由美氏が共同で創り上げたエッセイ集『ヒゲのガハクごはん帖』が、2023年10月6日に集英社より発売されることが発表されました。この作品は彼らの夫婦生活を食を中心に描いたもので、梅村氏が文章を執筆し、山口氏がそれに対する挿画を担当しています。今回のエッセイは、特に料理や食事にまつわる出来事や思い出を詳しく記述した内容となっており、読者は彼らの生活の中での食へのこだわりや思い入れを感じ取ることができるでしょう。
梅村由美の“逆襲”
梅村氏は、長年にわたり彼女の夫を“理不尽なカミさん”として描写するエッセイ漫画『すゞしろ日記』に登場し、その特異なキャラクターで知られていました。このエッセイ集は、そのような描写へのささやかな“逆襲”、つまり夫婦の立場が逆転したような視点からの物語でもあります。「何でもいい」と言う夫の食へのこだわりに振り回される梅村氏の日常は、まさに多くの笑いと驚きの宝庫です。自宅で、行きつけのレストランで、時には旅行先でのエピソードを通じて、二人のユーモラスで愛に満ちた日々が描かれています。
贅沢なイラスト表現
山口氏が手がける挿画は160点以上に及び、そのすべてがモノクロで描かれています。特に、出張先の長野で仕上げた作品についてはカラーで収録されており、より視覚的に楽しむことができます。エッセイの中には、梅村氏の生活に寄り添うような視点で描かれた彼女の文章と、それに呼応する山口氏のツッコミやコメントが入り混じり、一体感のある作品となっています。挿画は軽妙なタッチで描かれており、ページをめくるたびに新たな発見があります。
様々なテーマの食体験
本書には、家庭での日々のごはんや特別な外食、さらに旅先でのユニークな食体験など、様々なシチュエーションを背景にした17篇のエッセイが収録されています。お弁当日記や、記憶を辿るヴェネチアの食、さらには自宅で楽しむ味噌汁のエピソードなど、多様な料理や飲食のシーンが展開され、読者の食欲をそそることでしょう。具体的な内容は、例えば「ガハクのごはん帖」や「名もなきジャガイモ料理」、「オレンジだけじゃなかったバレンシア」など、興味を引くタイトルで構成されています。これらのストーリーを通じて、読者はまるで彼らの家庭で実際に食事を楽しんでいるかのような臨場感を味わうことができます。
書籍情報
この本の出版にあたり、梅村氏はこの作品が自身の執筆デビューであることに触れています。カバーや表紙は山口氏の描き下ろしで、彼の独特な画風が作品全体に富んだ彩を与えています。
- - 書名: 『ヒゲのガハクごはん帖』
- - 著者: 文/梅村由美、画/山口晃
- - 発売日: 2023年10月6日(月)
- - 定価: 2,310円(税込)
- - 判型・ページ数: A5判・208ページ
- - ISBN: 978-4-08-781766-9
この『ヒゲのガハクごはん帖』は、食へのこだわりや夫婦の愛情を描いた珠玉の一冊です。山口晃ファンや食に興味を持つ方々にとっても、ぜひ手に取ってもらいたい作品です。