セルシス、エジプトにおけるデジタルクリエイター育成に参画
株式会社セルシスは、エジプトの若者に向けて新たな教育プロジェクトに着手すると発表しました。これは、アニメーションやマンガを制作する「株式会社J-MANGA CREATE」とそのエジプト法人「J-MANGA CREATE EGYPT Inc」との協業によるものです。このプロジェクトは「CLIP STUDIO PAINT」を通じて、エジプトでのデジタルクリエイターの育成を目的としています。
プロジェクトの背景と目的
この取り組みは、エジプト国内の学生を対象とし、2026年には全国に展開を予定しています。さらに将来的には、アラビア語圏を中心にしたMENA(中東・北アフリカ)地域への発展を見据えたものです。日本のアニメやマンガが持つ表現力を通じて、異なる国や文化間の理解を深めることがこのプロジェクトの鍵となります。
現地の若者が創作を通じて、自国の文化や価値観を発信できる環境を整えることで、新たな国際的なコミュニケーションの場を作り出します。これにより、国際的な視野を持ったクリエイターが育成されることが期待されています。
「CLIP STUDIO PAINT」の役割
このプロジェクトにおける具体的な施策として、セルシスは、イラストやマンガ、Webtoon、アニメーションの制作が可能な「CLIP STUDIO PAINT」を提供します。このアプリは、デジタル表現教育において重要な役割を果たすことになるでしょう。
加えて、JMCとJMC EGYPTがともに地域の教育機関や文化団体、出版社に連携して、効果的なカリキュラムの開発や講師育成、ワークショップの運営を行っていくことを計画しています。これにより、地域に根ざした持続可能な教育モデルの構築を目指しています。
MENA市場の魅力
MENA地域には約4億9,000万人の人口が存在し、その半数が若年層です。特に、メディアとエンターテイメントの分野は急成長を遂げており、2026年には約470億ドルに達する見込みです。この成長率は年平均約7.4%と予測されています。このような背景の中、日本のアニメやマンガは特に人気があり、現地からのデジタルコンテンツへの需要も高まっています。
今後の展望
セルシスは、今後も若年層に向けたグローバルなクリエイター支援を進め、企業価値の向上を目指します。この新しいプログラムを通じて、日本のコンテンツ文化を学び、エジプトやMENA地域で新たな創作文化の発展に寄与できることを期待しています。
まとめ
「CLIP STUDIO PAINT」は、イラストやマンガ、アニメーション制作用のアプリで、全世界で5,500万人以上が利用しており、その80%以上が海外ユーザーです。これからのMENA地域におけるクリエイターの成長にとって、このプロジェクトは重要なステップとなるでしょう。セルシスの取り組みにより、国際的な文化交流がさらに深まることを期待します。