D&Iを学ぶ新書
2026-08-08 05:12:34

多様性と包摂性を学ぶ新たな試み『東大医学部生が受けているD&Iの授業』

新たな医療の地平を拓く『東大医学部生が受けているダイバーシティ&インクルージョンの授業』



2026年7月13日、株式会社医学書院が発行した書籍『東大医学部生が受けているダイバーシティ&インクルージョンの授業「建前」から「納得」へ』が注目を集めています。本書は、東京大学医学部が医学生全員に必修科目として導入したダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)の教育を基にした内容で、医療の現場における重要な価値観を探求しています。これにより、従来の医療サービス提供者と患者という関係が、共に創り上げる対等な関係へと進化を遂げることを目指しています。

教育の背景と目的



東京大学医学部は、2021年4月に「医学のダイバーシティ教育研究センター」を設立し、医学生に多様性と包摂性を学ぶ機会を提供しています。これによって、医療を受ける当事者と接する経験を通して、医療文化そのものを変革することを意図しているのです。編者の笠井清登教授は、「医療者や支援者が自らの原点に立ち返ることが、今後の医療に必要不可欠だ」と語ります。

授業内容と講師陣



本書では、現役の経験豊かな専門家たちによる122本の講義が収められており、読者は教師と当事者による多面的なアプローチを体験することができます。専門分野は医療だけでなく、心理学や社会福祉学など幅広く、依存症からトラウマインフォームドケアまで、医療における多様なテーマが網羅されています。特に重要なのは、共同創造(コ・プロダクション)の概念です。このアプローチを通じて、医療者が当事者の視点を尊重し、共に解決策を見出す意義が丁寧に解説されます。

直面する課題



講義の中では、「優生思想」と「生産性重視」に対抗するために何ができるのか、また、医療者自身がどのように自身の価値観を見直す必要があるかについても触れられています。このような問いかけは、単に医療従事者だけでなく、一般市民にとっても重要なテーマです。多様性を受け入れる社会の築き方や、排除されがちな人々のナラティブ(物語)を理解することは、私たち全員に共通の課題なのです。

本書の利用方法



さらに、本書には動画講義へのQRコードも付いており、医療や看護学の教育課程で実際の授業やコミュニケーション実習に活用することが可能です。実践的なアプローチと理論的な知識が融合したこの書籍は、学生だけでなく、現役の医療従事者にとっても貴重な参考資料となるでしょう。

最後に



医療の質を向上させ、誰もが尊重される社会を実現するために、ダイバーシティとインクルージョンはますます重要なテーマとなってきています。『東大医学部生が受けているダイバーシティ&インクルージョンの授業』は、そのための第一歩を示す重要な一冊です。この機会に、是非手に取って読んでみてはいかがでしょうか。


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