『プリンシパル』—極道の娘が駆ける壮絶な戦後日本の物語
2025年2月28日、新潮文庫から長浦京の新作小説『プリンシパル』が発売されます。本作は、クライムサスペンスの名作『リボルバー・リリー』の著者によるもので、その発表と映画化で注目を集めています。『プリンシパル』は、戦後の混乱期を舞台にしたヤクザの世界を描いており、主人公の綾女がいかにして厳しい環境を生き抜くのかを描いた作品です。
『プリンシパル』の世界観
最初に触れておきたいのは、物語の背景です。1945年の東京を舞台に、関東最大級の暴力団「水嶽本家」の組長の娘・綾女が主人公となります。父の突然の死により、彼女は「組長代行」としての重責を担うことになります。戦後の混乱期、まさに暴力と利権が絡み合う世界にあって、綾女はヤクザたちの熾烈な抗争やGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の圧力、大物政治家らの策略に巻き込まれていきます。
物語のスタート時点で彼女は、非情な冷血な「悪女」として育てられます。家族の中で育った「血」を背負い、彼女は自身の生存を賭け、周囲との闘争を繰り広げます。一方で、彼女の心の奥底には葛藤が渦巻き、暴力の背後に潜む人間ドラマに心を痛める事もあります。
評判と期待
本作は、多くの書店の関係者や著名なクリエイターたちから、絶賛の声が寄せられています。ゲームクリエイターの小島秀夫氏は、「この作品こそ和製ドン・ウィンズロウと呼ぶに相応しい」と絶賛し、圧巻のバイオレンスと重厚感に圧倒されたという森谷哲氏の意見もあります。これまでの文学作品とは一線を画すその描写力は、多くの人々の心を捉えずにはいられないでしょう。
古典的名作「ゴッドファーザー」を彷彿とさせるストーリー展開に、数々の読者が魂を奪われ、「今年これ以上の作品には出会わないかもしれない」と期待の声も聞かれています。
著者・長浦京のプロフィール
長浦京は1967年、埼玉県で誕生しました。大学を卒業後、出版社で働き、放送作家としても活動。闘病を経て2011年に小説デビューを果たし、その後も数々の賞にノミネートされています。特に、『リボルバー・リリー』の成功により名を馳せ、現在では日本のクライムサスペンスの第一人者とされています。『プリンシパル』は、彼にとってさらなる飛躍の作品となることでしょう。
書籍情報
- - タイトル: プリンシパル
- - 著者名: 長浦京
- - 発売日: 2025年2月28日
- - 定価: 1,155円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-105761-3
- - 詳細URL: 新潮社の特設ページ
このように『プリンシパル』は、クライムサスペンス小説の枠を超えた壮大な物語です。是非、発売にあわせて手に取ってみてはいかがでしょうか。