荻原浩が描く新たな物語、漫画『我らが緑の大地』
直木賞の受賞歴を持つ作家、荻原浩さんが、自らの作品を漫画化した新しい試みが話題を呼んでいます。荻原さんは、2020年に『人生がそんなにも美しいのなら荻原浩漫画作品集』で漫画家デビューを果たし、60代にして新たな挑戦を始めました。今度は、2025年2月に刊行予定の『我らが緑の大地』のあらすじを自ら漫画にしたとあって、ファンの期待が高まっています。
この漫画は、株式会社KADOKAWAが提供する文芸コンテンツ「カドブン」で、5月20日から公開が開始されました。「グリーンプラネット」というスタートアップ企業で起こる植物にまつわる異変を描いたストーリーです。主人公の村岡野乃は、ワーママの研究者として働きながら、植物が持つ知性についての研究を進めています。実際に、植物がさまざまな「コミュニケーション」を行い、知られざる知恵で自身を守る姿を描いています。
ストーリーの背後に広がる不穏な植物の姿
物語は、野乃とその息子、一樹の親子が植物たちの反乱にどう立ち向かうかという視点から進んでいきます。物語の冒頭では、彼女が研究している植物が害虫に危害を受けることで自ら毒を生成し、SOSを発信している場面が描かれます。その中で、最近では農場の視察で改良された大豆を食べた企業の社員が緊急搬送される事件が発生したり、原因不明の山火事や狂暴化した猿の襲撃といった奇怪な事件が続出します。これらは、植物たちの反乱を象徴しているのです。野乃が直面するこれらの現象を通じて、植物と人間の関係の深刻さを感じ取ることができます。
描き下ろしの魅力
荻原さんが手がける漫画ならではの魅力は、その独自の視点や描写にあります。困難な状況に立ち向かう親子の姿、また、植物たちの不穏な動きとそれが私たちの生活に与える影響を丁寧に描いています。漫画の中で表現される植物の反乱は、現代社会における環境問題や人間の行動についても考えさせられるテーマとなっています。
また、荻原浩さんが作品に持ち込む文学的要素も、この漫画の魅力のひとつです。彼の独自の言葉選びとキャラクターへの深い感情移入は、読者に強い印象を残します。今回の作品も、多くの人が共感できるテーマを孕んでおり、何度も読み返したくなる作品になることでしょう。
作品の詳細情報
『我らが緑の大地』の書誌情報としては、2025年2月27日に発売予定で、定価は2200円。408ページにわたる内容が詰まっています。イラストは柳智之さん、デザインは鈴木成一デザイン室が手掛けています。
荻原浩さんの新たな挑戦にご注目ください!自ら描いた漫画がどのように展開されるのか、その目で確かめることが楽しみです。
作品特設ページ
作品についての詳細やあらすじ漫画は、
こちらから確認できます。また、カドブン特集記事もぜひチェックしてみてください。
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