川上和人の新作エッセイで笑いと学びを
2023年5月14日、鳥類学者の川上和人が手掛けたエッセイ最新刊『鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない』が新潮社より発表されました。この新作は、川上さんのユーモア溢れる視点で繰り広げられる鳥類やその研究をテーマにした爆笑必至の内容です。本書は、離島でのフィールドワークや学会の裏話、ラジオ出演のエピソードなど、研究者の日常を軽妙に描写しています。
本書は、川上和人の“鳥類学エッセイ”シリーズの第3弾として位置づけられています。初のエッセイ『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』が発売されて以来、このシリーズは累計20万部以上を突破し、多くの読者に愛されています。川上さんは、小笠原諸島を舞台にした海鳥の研究を行いながら、時には苦労し、時には笑いを交えながら日常を語ります。
第1弾が20回の重版を経て現在もなお人気を誇る中、本書の内容は特に興味深いものとなっています。研究の話だけでなく、果敢に挑むフィールドのエピソードに加え、学会の運営やラジオ出演という“研究以外の活動”の舞台裏をも掘り下げています。これは、読者が楽しめるだけでなく、研究者を目指す学生にも貴重なインサイトを提供する一冊です。
笑いに包まれた鳥類学の世界
本書では、川上さん自身のユーモラスな「川上節」に彩られたエピソードが満載です。例えば、研究ストーリーの組み立て方や、カッパが鳥類だったかもしれないという仮説など、全く想像できない視点から鳥類学にアプローチしています。さらに、学会運営に奔走した際のリアルなエピソードや、ラジオ番組に出演した際の斜め上からの質問に応じた顛末も綴られています。
フィールドワークの現場では、火山灰の中でカツオドリの数を数えたり、ネコの糞の採集に精を出したりする姿も紹介されます。これに加え、川上さんは「研究者の役割は、学問を伝え広めること」と語り、そのための努力や工夫についても言及しており、まさに“鳥類学者の半分は、鳥類学ではできていない”というタイトルの真意が伝わってきます。
読者へのメッセージ
本書は、笑いながら学ぶことができるエッセイとして、幅広い層の読者に受け入れられていること間違いなしです。野生動物研究に興味を持つ人や、将来研究者を志す学生にとっても、多くの示唆を得られる内容となっています。研究の裏側に潜むドラマをお楽しみください。
川上和人の新刊『鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない』にぜひ触れてみてください。あなたの視点が少し変わるかもしれません。