大ベストセラー『薔薇の名前 完全版』の登場
ウンベルト・エーコの名作『薔薇の名前』が、2025年12月25日頃に東京創元社から完全版として再発売されることが発表されました。この小説は、20世紀の文学において特異な存在感を放つ作品の一つであり、世界中で多くの読者に愛され続けています。
『薔薇の名前』とは
本作は、中世イタリアの修道院で起こる連続殺人事件を描いています。事件の裏には、知の宝庫とも称される文書館が深く関わっているようです。エーコは自身の豊富な知識をもとに、哲学や文学、記号学を交差させたストーリーを巧みに展開し、読者を驚嘆させてきました。
これまでの受賞歴も数々あり、特に「このミステリーがすごい!」30周年企画での海外編第1位をはじめ、様々な賞を受賞しています。これだけの評価を受ける作品が再発見されることは、文学界にとって大きなニュースです。
完全版に収録される新たな要素
今回の完全版には、ただ単にテキストが整理されるだけでなく、エーコ自身が描いた文書館の図面や登場人物のスケッチが新たに収められます。これらの図版は、エーコの創作活動の過程を知る上で非常に貴重な資料となるでしょう。また、別巻として刊行されていた「覚書」も収録される予定で、エーコの意図や思考にふれる良い機会となります。
さらに、翻訳チームが新たに見直し、修正を加えているため、かつての版に比べて読みやすさが向上していることも注目です。特に、河島英昭先生に引き継がれた翻訳作業は、元のイタリア語版への忠実さと、現代日本語への適応がなされています。
刊行に向けた予約受付について
完全版の予約受付は、2025年10月下旬にスタートする予定です。現行版に関しては、2025年10月31日までの注文を受け付けており、この期間内にあれば在庫がなくてもご注文が可能です。ただし、在庫が切れた場合、現行版での出荷は終了してしまうため、早めの予約をおすすめします。2025年11月1日以降のご注文は完全版のみとなることに注意が必要です。
まとめ
ウンベルト・エーコの『薔薇の名前 完全版』の登場は、文学愛好者にとって大いに期待が寄せられるニュースです。新たに追加される資料や翻訳の見直しは、作品への理解をさらに深めることでしょう。東京創元社の公式サイトやSNSを通じて最新情報も逐次発信されるので、ぜひ注目してみてください。
この作品を通じて、中世の文化や知の探求の魅力に再び触れる機会となることを期待しています。