死を起点に萬全の人生設計を――『DEATH MIND』が教える新たな哲学
2025年問題と言われて久しい日本。団塊の世代が後期高齢者に突入する中、急速に進む“多死社会”の到来が懸念され、私たちが「死」についてどのように向き合うべきかという課題が浮かび上がっています。このような状況下、株式会社ライフワークスの代表、野田和裕氏が3冊目の著書『人生を全力で生き抜くための DEATH MIND-デスマインド-』を2025年4月23日に出版します。
本書の主題:死をどう受け入れるか
本書では、「死」という避けがたい現実を起点に、人生を逆算し、「今」をどう最大化するかを探求しています。野田氏は、「死を汚れと捉えず、人生を照らす光に変える」ことを提唱し、多死社会において生き抜くための指針を示します。
2025年問題がもたらす現実
2025年には、平均寿命が延びても多くの人々が高齢による健康上の制約を受けるリスクが高まります。その結果、私たちは人生の終わりを真剣に考える時間が少なくなりがちです。しかし、野田氏は「死を先送りにすることで得られる現実逃避は無意味だ」と警鐘を鳴らします。
また、「もし明日死ぬとしたら?」この問いと向き合うことで、私たちの人生観が一変する可能性があると主張しています。
著者の経験から得た知見
野田氏は、これまでに4,000件以上の葬儀を執り行ってきました。そこで見た多くの遺族の後悔は、「もっと大切な人と過ごせばよかった」というものでした。彼はこの経験を通じて、36%の人が「もっと自由に生きたかった」と思うと語ります。
「死を軽視することで、最終章が悔いに満ちたものになることは珍しくありません」と野田氏は語ります。これが、デスマインドの重要性を高める要因の一つです。
独自の葬儀観と宗教的視点
野田氏の著書は、宗教書ではありませんが、キリスト教専門葬儀社の代表としての自身の宗教観も色濃く反映されています。死を単なる終わりと見るのではなく、「人生の完成」と捉える視点を持つことで、多くの人々が命に対する感謝の念を抱くことができるでしょう。
このように、人の評価や金銭的な成功にとらわれず、「どう生きたいか」に正直になることこそが、本書が伝えたいメッセージです。
デスマインドの実践
デスマインドの概念は、単に終活を促すものではありません。死を起点にし、人生を逆算して計画することで、我々の“残り時間”を有意義に使う時間管理術でもあります。人とのつながりや、情熱、やりたいことを見つめ直すことで、人生の色合いが変わるのです。
著者のメッセージ
「死は逃れるものではなく、むしろ通じて“今”を最大限に生きるためのものです。その思考に触れることで、人生の価値に気づくきっかけになれば」と野田氏は願っています。
イベント情報
新著の出版を記念したトークショーやセミナーも予定されており、観客との対話を通じて、デスマインドの考え方を深める機会が設けられています。
デスマインドは、人生に対する新たな視点を与えるだけでなく、より良い形での生き方を探求する手助けとなるはずです。今後の展開にもぜひ注目してほしいと思います。
著者プロフィール
野田和裕氏は1974年、福島県生まれ。東京基督教大学卒業後、2006年にキリスト教専門葬儀社を設立しました。彼は、国内最大のキリスト教葬儀会社へと成長させ、全国各地でセミナーも開催するなど、広く活躍しています。