20年ぶりに刷新された作業改善の指南書
日刊工業新聞社が手がける新刊『トコトンやさしい作業改善の本 新版』が2025年4月25日に発売されます。この書籍は生産・工場間接部門の新人や育成リーダーに向けた一冊で、トヨタ生産方式(TPS)に基づく作業改善の重要性を再認識させてくれる内容です。前回の版から20年が経過し、最新の状況に即した形での内容刷新が行われました。
TPSとは何か?
トヨタ生産方式は、モノづくりの管理手法として世界的に評価されており、効率的かつ効果的な生産プロセスを築くための哲学が息づいています。TPSの核心は「知恵と改善」であり、従業員の人間性を大切に扱う姿勢から成り立っています。特に、設備改善よりも作業改善に重点をおくことが、この方式の独自性とも言えるでしょう。この本では、無駄な動作を排するための工夫や、社員の知恵を最大限に引き出す手法が詳しく解説されています。
現場力の低下がもたらす影響
現在の製造業を取り巻く環境は、ITやAI、ロボット活用の急速な進展により変化しています。しかし、その一方で日本の製造業は1990年代初めのバブル崩壊以降、海外移転の影響で現場力が落ちてきた状況が続いています。特に作業改善の領域では、企業の競争力が弱まっているのが現実です。このような時代だからこそ、作業改善を通じて現場の力を再生し、企業の競争力を高める必要性が叫ばれています。
効果的な作業改善の手法
本書では、作業改善を実現するために、具体的な手法や思考方法が網羅的に紹介されています。具体的には、以下の内容が目次に沿って展開されます。
- - 第1章:トヨタ生産方式をベンチマークに
- - 第2章:原価低減
- - 第3章:改善の見方・考え方
- - 第4章:作業改善の進め方
- - 第5章:改善提案増と改善事例
- - 第6章:標準作業と改善
- - 第7章:目で見る管理
- - 第8章:品質管理・その他の改善
これらの章では、現場での実践的な知識やノウハウが詳しく説明されており、他業種の人でも理解しやすく、実践できる内容となっています。
書籍の特徴と詳細
本書はA5判、並製、160ページで構成されており、定価は1,980円(税込)です。ISBNは978-4-526-08392-1で、日刊工業新聞社から発行されました。今回の新版は、長年にわたり好評を博している『トコトンやさしいトヨタ生産方式の本』の姉妹編として、現場の変化や人材育成、組織の進化に応じて内容が刷新されています。
このような時代背景の中で本書が多くの生産現場に貢献することが期待されます。作業改善を通じた企業の競争力向上を目指す貴重な一冊として、業界内でも高い注目を集めています。
編著者について
本書は、トヨタ生産方式を考える会によって編纂されており、代表的な著者には、3Cテクノコンサルタントの太田昭男氏、中小企業診断士の江口真氏、経営技術研究所の藤井春雄氏などがいます。彼らの豊富な経験と知識が本書を支えており、実践的な内容が提供されています。
ぜひ、この新刊を手に取り、作業改善の真髄を学んでみてはいかがでしょうか。