心のポケットに収めたい、朝倉恵子の歌集『ポケットに』が登場
日常のあらゆる瞬間に寄り添う歌を届ける歌人、朝倉恵子氏。彼女の詩集『ポケットに』が、2025年4月15日に発売されます。この第一歌集は、2000年頃から最近までの作品がまとめられたもので、彼女の思いを詩の形にし、多くの読者に伝えたいという強い思いが詰まっています。
本作のタイトル「ポケットに」は、彼女の故郷である姫路市白浜町を詠んだ連作の一首からインスパイアを得ています。「今、元気に暮らしている私にできることは、暮らしの中の小さな発見を積み重ねて、時々ポケットから出すようにして向き合っていくことです」と語る朝倉氏。日常に溢れる美しさや気づきを大切にし、それらを詩として表現しているのです。
特に印象に残る作品には、次のようなものがあります。
1.
乾麺がたしかここらにあったはず薄暗がりにりんごが香る
2.
母の昼テーブル挟む距離ありてわれサクサクと食べるレンコン
3.
食堂の窓から見える小さき冬縦列駐車の直線冷える
4.
混み合っていますとテープの声がして何も言えないようにできてる
5.
五月山は駅舎の屋根によく似合う力を抜かず力を溜めず
これらの詩は、どれも日常の一瞬を切り取り、その中に微細な感情や風景を感じさせます。朝倉氏は、私たちが普段あまり意識しない「なんでもないこと」に目を向け、心が動く瞬間を描き出しています。まさに、彼女の詩はいつも私たちの側にあり、特別な存在ではないのです。
また、著名な歌人である足立晶子氏が推薦している言葉も印象的です。彼女は、「朝倉さんの歌には彼女の気質がさりげなく出る」と述べ、特に母との会話の中での感情が伝わってくると評価します。彼女の詩は、破調や会話体などを駆使し、読む人に深い共感を呼び起こすのです。
この歌集は、忙しい日常の中で立ち止まって心の声に耳を傾けるきっかけとなるはずです。あなたもこの詩集を手に取り、一つ一つの句に触れてみてください。きっと、心に沁み込んでくる言葉が見つかるでしょう。詩は特別なものではなく、私たちの身近にあり、日常を彩ってくれる大切な存在であることを再確認できる一冊です。
書籍情報
- - 書名: ポケットに
- - 著者: 朝倉恵子
- - 出版社: パレード
- - 発売日: 2025年4月15日
- - ISBN: 978-4-434-35608-7
- - 仕様: 四六判/並製/156ページ
- - 価格: 1,100円(1,000円+税10%)
書籍の購入は
こちらから確認できます。心のポケットに、朝倉恵子氏の繊細な詩をぜひ収めてみませんか。