株式会社BOOK、地域情報誌『CHIKUSKI』の運営を受け継ぐ
福岡県田川市に本社を置く株式会社BOOKが、地域情報誌『CHIKUSKI(チクスキ)』の運営事業を2025年3月に譲受することが発表されました。『CHIKUSKI
』は筑豊エリア全域へ毎月4万部が発行され、地域の情報発信に重要な役割を果たしてきました。
事業譲受の背景と狙い
前運営会社である株式会社トーンは、『CHIKUSKI』を通じて地域に根差した情報発信や人が集まる場の提供、地域資源を活用したイベントの企画などを数多く手掛けてきました。しかし、SNSなどの新しい情報ツールの拡大に伴い、地域メディアの役割や伝え方には変化が求められています。
その中で、株式会社BOOKは『CHIKUSKI
』の理念を継承し、地域に根ざした形でのアップデートを図ります。「いいかねPalette」と呼ばれる廃校を利用した複合施設を拠点に、ユニークな場づくりや情報発信を展開していく予定です。
「いいかねPalette」に込められた思い
「いいかねPalette」では、音楽スタジオやシェアワーキングスペース、飲食店、ゲストハウスなど多様な施設が整備されています。ここは、田川市を拠点にする一方で、全国からクリエイターや長期滞在者が訪れるユニークな場所になりつつあります。
さらに、この場所で人気ポッドキャスト番組『COTEN RADIO』が誕生し、地域アートの普及を目指すNPO法人「アーツトンネル」も設立されています。また、地域教育の在り方を考えるイベント「たがわ教育フェス」も開催されており、多様な活動が展開されています。
地域とローカルメディアが直面している課題
地域広告市場は近年大幅に縮小し、印刷コストも上昇しています。その中で、『CHIKUSKI』は信頼性の高いローカル情報を提供し続け、地域メディアとしての役割を果たすことが求められています。特に筑豊エリアでは、人口減少や高齢化によりデジタルリテラシーの格差が顕著であり、未だに紙媒体が重要な情報源とされています。
株式会社BOOKは、世代を問わず地域の人々に必要な情報を提供し、紙媒体ならではの可能性を追求します。そのために、施設やイベント、SNSなどの多様な媒体と連携し、「豊かな暮らしに貢献するローカルメディア」を再構築していく予定です。
今後の展望
ハブとなる田川市の人口は約4万人ですが、筑豊全体では約40万人と巨大な市場を誇ります。株式会社BOOKは、今回の事業譲受を機に、筑豊全域の内需拡大や地域間の連携を強化し、情報ネットワークの再構築を目指します。
『CHIKUSKI
』の強みを活かし、オンラインメディアやリアルイベント、コワーキングスペースを通じて新たな地域メディアの価値を創出することに取り組んでいくとのことです。
株式会社BOOKの代表の想い
代表取締役である青柳考哉氏は、地域の人々の意識を変えていくことが地方創生には不可欠だと強調しています。「自分たちの町は自分たちでおもしろくする」という意識を広めるためにも、廃校活用の「いいかねPalette」と、歴史あるフリーペーパー「CHIKUSKI」が交わることで、新たな経済・文化活性化に寄与できると信じています。
前運営者のコメント
前の運営会社である株式会社トーンの代表取締役、江藤裕仁氏も、今回の運営移行に期待を寄せています。筑豊の魅力を発信する『CHIKUSKI
』が、新たな展開を通じてより多くの注目を集めることに期待しています。
株式会社BOOKは今後も、『CHIKUSKI』新たな展開に力を入れていくとのことなので、地域の皆さんと共に筑豊の未来を魅力的にしていくことに期待が高まります。