西﨑伸彦氏、新著が第56回大宅壮一賞受賞!
著名なジャーナリストである西﨑伸彦さんが執筆した『バブル兄弟“五輪を喰った兄” 高橋治之と “長銀を潰した弟” 高橋治則』が、第56回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しました。これは、ノンフィクション作品における栄誉ある賞であり、西﨑さんの力強い取材と鋭い洞察が評価されたことを示しています。
受賞の背景
西﨑さんは受賞コメントで、「バブル期を象徴する実業家だった弟と、スポーツビジネス界の第一人者として名を馳せた兄の物語」を通じて、彼らがどのように成功を収め、また挫折を経験したのかを探求したと述べています。特に、彼の取材は複雑な人間関係を紐解くもので、多くの関係者への感謝の思いも語られています。
大宅壮一ノンフィクション賞とは?
この賞は、戦前から戦後にかけての著名なジャーナリスト・大宅壮一氏を記念して1970年に創設されました。ノンフィクション分野では「芥川賞」や「直木賞」に並ぶ位置付けを持ち、優れた作品を広く世に紹介することを目的としています。賞金は100万円で、さまざまなジャンルのノンフィクション作品が対象です。
作品の内容
本書では、バブルという狂乱の時代を生きた兄弟の物語が描かれています。高橋治之は、かつてはオリンピックを巨額の利益を生むイベントへと変えた立役者であり、長年電通のスポーツ局で君臨していましたが、東京オリンピックを巡る収賄容疑で逮捕されることとなりました。一方、弟の高橋治則は、1995年に東京協和信用組合の背任容疑で逮捕され、二人は共に栄光と挫折の歴史を背負っています。
この作品は、ただのノンフィクションに留まらず、昭和という時代の日本がどのようにして栄光から破綻へと向かっていったのかを鮮明に描写しています。この物語は、裕福な家に生まれた二人が、どうして制裁を受けることになったのかを深く掘り下げています。また、治之の最新のインタビューも掲載されており、今なお裁判中の彼の生の声を届けるなど、非常に迫力のある内容に仕上がっています。
作者のプロフィール
西﨑伸彦さんは1970年岡山県に生まれ、立命館大学を卒業後、「週刊ポスト」の記者としてキャリアをスタートし、2006年からは「週刊文春」の記者として活動してきました。2020年からはフリーライターとして、様々なテーマについて取材と執筆を続けています。彼の著作には、『中森明菜 消えた歌姫』や『海峡を越えた怪物 ロッテ創業者・重光武雄の日韓戦後秘史』などがあります。
今後の展望
新著の評価は高く、さらなる読者の注目を集めることが期待されています。現代において必要な教訓や、失われた栄光の背後に潜む真実を探求するこの作品は、多くの人々にとって示唆に富んだ一冊となることでしょう。多くの読者がこの“バブル兄弟”の物語を手に取り、彼らの過去から学びを得ることを待ち望んでいます。