植物の特性を再発見する、フローラルアートの理論書『ボタニカル・メタモルフォーシス』の魅力

植物の特性を美しく引き出す新たなアート

フラワーアーティストの丹羽英之氏が提唱する新しいフローラルアートのスタイル、それが「ボタニカル・メタモルフォーシス」だ。本書では、この独自の理論に基づき、植物本来の美しさをいかに最大限に引き出せるかを解明し、解体と再構築を通じて表現している。

植物が持つ特性への着目

著者は、身近な植物を一度解体し、その特性を改めて見極めることで、全く新しい美しさを引き出す技法を開発している。花や葉、茎・枝など、各部位に分けてその魅力を生かすための方法を示すことにより、観る者を魅了する作品が生まれる。丹羽氏はこのプロセスを「ボタニカル・メタモルフォーシス」と名付け、その理論と実践法を本書で丁寧に解説している。

理論と実践を丁寧に解説

本書は、丹羽氏自身が考案したフローラルアートの製作過程だけでなく、その背景にある発想のフローについても詳しく説明している。作品のインスピレーション源や選ばれた素材、使用する技術に至るまで、一連の流れを理解することができることが、本書の大きな魅力だ。さらに、具体的な製作手順を、ステップごとに写真と共に掲載しているため、初心者でも手軽にトライできる内容となっている。

作品の多様性

「ボタニカル・メタモルフォーシス」では、小さなアレンジメントからダイナミックなインスタレーションまで、約40点の作品が収録されている。これにより、読者は日常の花々がどれほど多彩な表情を持つかを実感することができる。また、作品を通じて新たなインスピレーションが得られるだろう。

著者の経歴

丹羽英之氏は、1973年に愛知県で生まれ、生花店を営む家庭で成長した。上京後、花の専門学校を卒業し、大手生花店で基礎を学んだ。その後、東京のフラワーショップで経験を積み、独自のデザインオフィスを設立。イベントやブランドとのコラボレーションを通じて、視覚的インパクトのあるフラワーデザインを展開している。

書籍情報

書名：ボタニカル・メタモルフォーシス
著者：丹羽英之
仕様：B5判、144ページ
定価：3,740円（税込）
発売日：2025年6月5日（木）
ISBN：978-4-416-52475-6

この本を手に取ることで、植物の魅力を深く理解し、その美しさを新たな視点から楽しむことができるだろう。丹羽氏のフローラルアートは、観る人々の心に響く作品を生み出し、新たな創造の道を開いてくれるに違いない。