角幡唯介の新作登山ノンフィクション『地図なき山』がついに発売決定！

角幡唯介の新作登山ノンフィクション『地図なき山』がついに発売！

探検家兼作家として知られる角幡唯介が、新たに挑戦した冒険登山のノンフィクション『地図なき山――日高山脈49日漂泊行』が、2024年11月20日に発売されます。この作品は、著者がこれまでに探検した北極の厳しい環境とは異なる、日本の大地に根ざした真剣な挑戦を描いたものです。これまでの作品とは対照的に、国内での冒険に焦点を当てており、日高山脈へと足を踏み入れる様子が描かれています。

発売前から大きな話題を呼んで

角幡さんは、この登山で地図を持たずに大地と対峙するという新たなアプローチを採用しました。この試みは、現代社会の情報過多や便利な生活に対する疑問を投げかけるものでもあります。地図の助けを借りないことで、自身の内面的な葛藤や自然との真剣な向き合いを描いています。発売から2週間足らずでの2刷決定は、その衝撃的な内容と文体が、登山愛好家や一般読者に大きな関心を寄せたからでしょう。

メディアの紹介と反響

刊行直後から、北海道をはじめとする登山ファンの熱い支持を受け、各メディアで次々と書評が掲載されています。月刊誌「波」の2024年12月号でも、芥川賞作家の松永K三蔵による推薦文が登載されるなど、その反響は広がりを見せています。また、朝日新聞や日経新聞、時事通信などでも書評が取り上げられ、登山関連の雑誌やラジオでも紹介されています。8月には5刷が決定し、多くの読者に熱望されている著作となっています。

物語の核となるテーマ

本書の読みどころは、現代の情報社会に対する批評的な視点と、自然との真正面からの対話にあります。著者は、グルメサイトや地図アプリに頼るだけの生き方に疑問を持ち、あえて地図を捨てて日高の山に挑むことで、読者に問いかけます。登山という行為を通じて、現代人がどれだけ情報に依存し、また、情報から解放されることによって何を得られるのかを探求しています。

登山の過酷さに挑む

著者は、日高山脈での経験を詳細に描写し、その中で直面した困難や葛藤について語ります。特に、高低差70メートルの大滝に出くわしたときの精神的重圧は、彼の心に大きな影を落としました。「登れない」と即断した判断は、単なる体力の問題ではなく、未知の地形への恐怖から来ていることが伝わります。このような瞬間にこそ、著者の人間的な成長や揺れ動く感情が鮮明に描かれているのです。

新たな挑戦と成長

3年の歳月を経て再度日高山脈に挑む姿勢は、著者にとっての成長を象徴しています。この時に見つけた新たな山の表情は、彼の価値観や探検家としての視野を広げるものでした。読者は、ただの登山の記録だけでなく、自己を見つめ直し、成長していく様子を追体験することができるでしょう。

結論

角幡唯介によるこの前代未聞の登山記は、現代社会への挑戦状とも言える作品です。地図を持たずに大地に挑むことで、著者は自由と不安、知識と無知の間で交錯する感情を描き出しています。地球の大自然の中で何を感じ、何を学んだのか。ぜひ、手に取ってその魅力を体験してみてください。彼の冒険は、あなたの心にも新たな刺激を与えてくれることでしょう。

著者：角幡唯介とは

1976年に北海道で生まれた角幡唯介は、独特の探検スタイルで知られる探検家であり作家です。特に、チベットのヤル・ツアンポー峡谷の単独探検や、極夜の北極地域での探険で高く評価されています。近年は、グリーンランドやエルズミア島でのエスキモースタイルの長期旅も経験。数々の賞を受賞し、ノンフィクションの魅力を世に広めています。最新作『地図なき山』は、彼の探検家としての新たな一歩となることでしょう。