NYミステリー傑作
2025-11-28 12:15:07

知の巨人が絶賛したNYミステリー傑作が待望の刊行!

知の巨人絶賛の幻の名作、ついに刊行!



かつて、著名な批評家である植草甚一がその魅力を称賛したミステリー小説が、ついに日本の読者の手に届く。ジャドスン・フィリップスの『終止符には早すぎる』が、11月28日(金)に新潮文庫より発売を迎える。この作品は、1962年に原著が発表されたにもかかわらず、長らく日本語で読み解かれることがなかった一冊である。

植草甚一が認めた小説の魅力



植草は彼の著書『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』の中で、まるまる一章をこの作品に費やし、深い感銘を受けた理由を語っている。それは、この小説が他のミステリー作品とは異なり、独自の魅力を持っているからだ。その根底には、物語の舞台となる大都会ニューヨークの空気を巧みに描写する筆力と、複雑ながらも人間味溢れるキャラクターの造形、さらに暗いテーマがしっかりとしたストーリーの中で爽やかに展開される読後感がある。

幻の傑作、そのストーリー



物語の始まりは、アパートビルのテラスから飛び降りようとする若い女性の場面から始まる。周囲の警官や彼女の近親者が説得を試みる中、注目すべきは、彼女に近づく一人の大富豪である。彼は、かつて殺人事件の容疑者として姿を消していた人物だ。果たして彼女は何故その決断をしようとしているのか、そして彼の過去とはどのようなものであったのか。物語はこのようにして、多くの謎と興味を引きながら進んでいく。

刷新されたミステリーの魅力



この作品の魅力は、古典的なミステリーの枠にとどまらず、現代に通じるテーマと心の葛藤を描き出している点にある。フィリップスは手際よく人間ドラマを描写し、読者を引き込んでいく。特に、陰惨さを増している現代のミステリーにおいて、爽やかさが光るエンディングは、多くの読者に新たな体験を提供するでしょう。

さらに、巻末には小山正による20ページ近い詳細な解説と、フィリップスの膨大な創作を網羅した40ページに及ぶ著作リストも付いており、ミステリー愛好家には必携とも言える贅沢な内容となっている。

著者・訳者の紹介



【著者】ジャドスン・フィリップス(Judson Philips)は、1903年にマサチューセッツ州ノースフィールドで生まれ、1989年に亡くなったアメリカの作家である。100冊以上ものミステリーや探偵小説を発表し、アメリカ探偵作家クラブの会長も務めた。

【訳者】矢口誠(Yaguchi Makoto)は1962年生まれの翻訳家で、多数の作品を手がけている。彼の訳書の中には、ウェストレイクの『さらば、シェヘラザード』やヒッチェンズの『はなればなれに』など多様なジャンルが含まれている。

最後に



『終止符には早すぎる』は、ただのミステリー小説に留まらない。作者が描く人間の深層心理に迫ることができる作品。11月28日、新潮文庫の書籍として発売予定のこの作品を、是非手に取ってみてください。ミステリーの新たな地平を感じられることでしょう。


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