介護離職を防ぐための新たな指針『介護前夜の教科書』が登場
2026年9月16日、株式会社講談社から川内潤氏による新刊『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』が発売される。この著作は、介護という避けがたい課題がもたらす影響と、そのために必要な準備について詳述されており、特に介護離職に関する厳しい現実を浮き彫りにしている。
介護開始から1年未満での離職が過半数
川内氏が代表を務めるNPO法人「となりのかいご」が行った調査によれば、介護を始めた人の58.7%が、開始から1年未満という早い段階で離職に追い込まれている。このことから、介護が始まったその瞬間から、仕事との両立が極めて重要であることがわかる。
介護を担う人々には意外にも、制度を利用しながらも仕事を辞めてしまうケースが見受けられ、特に介護が始まった直後が大きな分岐点であることが明らかになった。この苦境は多くの家族に共通するもので、離職者の中には、介護は家族が担うべきだという強い意識が働く傾向も確認されている。
仕事と介護を両立するための「頼る覚悟」
介護に関しては、多くの制度が整いつつあるものの、個々の状況に応じて活用する工夫が求められる。特に、親の介護をサポートするためだけに制度を利用するのではなく、プロの手を借りて「介護チーム」を形成する必要があるという点が本書では強調されている。
「できる限り仕事を続けるためには、周囲の支援を受け入れる覚悟が必要だ」という川内氏のメッセージは、まさに介護前夜における重要なポイントだ。そこで家族とともに、最適なサポート体制を築くことが、親だけでなく子ども自身の生活を守る基盤となる。これにより、両者が共倒れするリスクを減少させることが可能だ。
知識と行動が未来を変える
川内氏は本書において、具体的な相談事例や図解などを交えて「やること」と「やってはいけないこと」について述べている。特に重要なのは、自分の心配が過剰になり、必要以上に先回りしてしまう行動だ。良かれと思って行った行動が、むしろ親の自立や自身の生活を脅かす結果を招くことがある。
たとえば、地域の相談先を早めに確保し、勤務先の制度を把握しておくといった準備は、自身の生活を守るために不可欠なステップであるといえる。また、必ずしも家庭で介護を完結させる必要はなく、専門機関と連携を取ることで、心理的な負担を軽減することができる。
著者の経験に基づく実践的なアプローチ
川内潤氏自身、年間約700件、累計4000件を超える介護相談に応じてきた経験から、著者は「親思いな人ほど、介護を抱えすぎてしまう」現実を知っている。仕事を続けるためには単なる制度理解ではなく、どのように家庭内での役割を適切に分配するかが重要である。
本書は、ただ単に介護を扱うマニュアルではなく、家族と共により良い選択を行うための指南書である。介護に関する様々な問いに対しても具体的な指針が示され、例えば「お金の管理」「適切ないべや自宅の選択」「自宅か施設かの選択」など、幅広い内容がカバーされている。
介護の悩みや疑問に対して、論理的かつ感情に寄り添ったアプローチを提案する本書は、まさに介護を行うすべての人にとっての必携の書と言えるだろう。発売日は2026年9月16日で、定価は1,870円(税込)となっている。興味のある方は、お近くの書店またはネット書店にて購入をお忘れなく。