未来の家族物語、SF小説『いつでもそばに』の魅力
内閣府のムーンショット型研究開発事業目標1「Internet of Brains(IoB)」では、SF作家と研究者が協力して未来を描くサイエンスコミュニケーションプロジェクト『Neu World』が進行中です。その中で、作家の蝉川夏哉氏による新作SF小説「いつでもそばに」が、公式サイトで公開されました。この作品は、2050年の未来を舞台にし、人間とサイバネティック・アバターが共に働く社会の姿を描くものです。
あらすじ
物語は2050年、東京の老舗蕎麦屋「九楽亭」を舞台としています。主人公の俊二は、病に倒れた父の代わりに店を切り盛りしつつ、サイバネティック・アバター「ロボ店長」と共に働いています。この光景は、もはや未来の日常風景として描かれています。そんな中、長年離れていた兄・恭一が帰ってきますが、彼は突然、「店は長男の俺が継ぐ。お前は、ここを出てくれ」と告げるのです。
ある日突然、仕事と居場所を奪われそうになった俊二は、理不尽な状況に立ち向かう決意を固めます。アバター労働を取り巻く新しい制度に希望を託し、兄との対峙に臨むのですが、本作は彼がどのようにしてこの課題に取り組んでいくのかを描いています。
サイエンスと法律の融合
「いつでもそばに」では、未来の法律やルールについても考えています。コラボレーションを行っている若手憲法学者の小久保智淳氏が出演し、IoBに関連した法律の重要性を示唆しています。技術の進展が進む中で、どのような新しいルールが必要になるのか、考えさせられる作品です。
『Neu World』の目的
プロジェクト『Neu World』は、私たちの未来についてのコミュニケーションの機会を提供することを目的としています。SF作品の制作を通じて、科学技術と社会の接点について考えるきっかけを生み出しています。読者からの感想は、今後の研究に活かされる貴重な意見となります。
年越しそばと共に2050年を想像する
この小説は、年末年始にぴったりの未来の蕎麦屋を舞台としているため、年越し蕎麦を食べながら、2050年の社会について考える時間を持つことができます。家族や友人と一緒に感想をシェアすることで、新しい視点が得られるかもしれません。特に、ハッシュタグ「#NeuWorld」を使ってSNSに感想を投稿することも奨励されています。
蝉川夏哉氏の背景
蝉川夏哉氏は大阪府出身で、作家活動の傍ら、企業に勤めつつ執筆を続けてきました。本作は、彼のクリエイティブな視点から生まれたものであり、既に大ヒットしている「異世界居酒屋『のぶ』」などからも、彼の独自の世界観が色濃く発揮されています。
まとめ
『Neu World』の新作SF小説「いつでもそばに」は、未来の家族の姿とテクノロジーの結びつきを描いた意欲的な作品です。私たちの日常生活にも影響を与える可能性のあるこの物語を通じて、未来の姿を少しでも考えるきっかけになれば幸いです。