万城目学氏が京都本大賞を受賞!
万城目学さんの小説『六月のぶりぶりぎっちょう』が、この度第13回京都本大賞に輝いた。この賞は、京都を舞台にした作品の中から、地元で読んでもらいたいものが一般読者の投票によって選ばれるもので、万城目さんにとっては嬉しい栄誉だ。
『六月のぶりぶりぎっちょう』は、万城目さんの第170回直木賞受賞作『八月の御所グラウンド』に続くシリーズの第2弾である。作品の背景には、京都の街の魅力とともに、青春の甘酸っぱさとほろ苦さが精緻に描かれている。特に表題作では、日本史のミステリーである「本能寺の変」に挑む様子が描かれ、その独自の視点が高く評価された。また、「三月の局騒ぎ」という短編も収められており、大学の女子寮で出会う謎めいたキャラクターたちとの交流が楽しめる。
万城目さんは受賞を記念して、「はじめて小説を書いたのは大学四回生の時、舞台は京都でした。それからざっと二十六年が過ぎて、私はまだ京都を舞台に小説を書いています。サンキュー、京都。光栄です、京都本大賞。これからも京都(あなた)におんぶにだっこされながら、真摯に小説を書いていきます」とコメントしており、京都に対する深い愛情が感じられる。
授賞式について
受賞をつうじてより多くの人々に万城目さんの作品が届くよう、来年の11月8日から9日にかけて、京都・梅小路公園で「KYOTO BOOK PARK」が開催され、そのオープニングイベントとして授賞式が行われる。万城目さんも登壇し、受賞の喜びを語る予定だ。この授賞式は無料で入場できるため、多くのファンが集まることが予想される。
賞の趣旨や授賞式の詳細については、公式サイトで確認してほしい。
万城目学氏について
万城目学さんは1976年に大阪で生まれ、京都大学法学部を卒業後、2006年に『鴨川ホルモー』で作家デビューを果たした。この作品はその後映像化され、多くの話題を呼ぶ。さらに『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』など、次々と映像化されるなど、大きな人気を誇る。
彼の作品は、常に独創的な視点と情緒的な描写が特徴であり、エッセイ集や短編小説など、多岐にわたる著作が注目されている。
書誌情報
『六月のぶりぶりぎっちょう』は文藝春秋から2024年6月24日に発売予定で、四六判の上製本で248ページ、定価は1,870円(税込)。
万城目学さんの新たな作品に、ぜひ早めに目を通してみてほしい。彼の描く京都の世界に浸ることができるはずだ。