心の健康を守る新しい視点『もらいうつ』とは?理解と対策の全貌
現代社会において、サポートする立場にいる人が思わぬ心の負担を抱えるケースが増えています。その言葉が示すように、うつ病は単なる当事者の問題ではなく、周囲の「支える側」にも影響を及ぼすことがあるのです。精神科医の髙橋一志氏がこの現象について追求し、メカニズムや対策を実に分かりやすく解説した新刊『もらいうつ』が2026年9月1日に発売されます。
「もらいうつ」とは何か?
「もらいうつ」という言葉、あなたは聞いたことがありますか? おそらく、多くの人にとっては初耳かもしれません。この用語は、正式な精神医学の診断名ではないものの、非常に重要な意味を持っています。うつ病はウイルスのように感染するものではありませんが、他者の苦しみを共感することで、精神的な影響を受けることがあるのです。
具体的な事例と背景
本書には、産後うつに苦しむ妻を支える夫、うつ病の母を介護する娘、休職した同僚の業務を代わりにこなす社員など、さまざまな支える側の事例が描かれています。これらのエピソードでは、相手を思いやりすぎるあまりに、自分自身の心が疲弊してしまった人々の姿が浮かび上がります。
「もらいうつ」は特定の家庭や状況に限定されるわけではなく、実に幅広い場面で起こり得る現象です。人を支えたいという優しさが裏目に出て、当人が過労や心の不調を抱えることになるのです。共通しているのは、思いやりを持つ人が多いという点です。
それはなぜ?うつ病の真相
うつ病の症状としては、気分の落ち込みだけでなく、イライラや攻撃的なふるまいもあります。実際に、産後うつの女性が夫に対して厳しく当たることがあると、夫もまた心に重圧を感じ、ストレスによって抑うつ状態に陥ることがあります。こうした現象は、同居している家族に限らないことが著者の言う通りです。心の距離が近い場合、離れていても影響を受けてしまうことがあります。
支える側の声を聞こう
多くの場合、うつ病に苦しむ当事者には治療のための支援が手厚く提供されますが、支える側はどうでしょうか? 彼らには、治療を受ける機会や休息が与えられないことが多く、さまざまなプレッシャーを一人で抱え込んでいる場合が多いのです。「支えるのは当たり前」と考えがちですが、その結果、支える側も心が疲弊していきます。
どうすればいい?
本書では「寄り添っても、寄り添いすぎない」というメッセージが伝えられています。うつ病の原因は一様ではなく、家庭や社会的背景、職場のストレスなど、さまざまな要因が絡み合っています。重要なのは、単に誰かを支えるのではなく、その人の周囲全体を理解することです。
この書籍では、もらいうつになるリスクを抱えやすい人々、共倒れの仕組みを精神医学の視点から紐解いていきます。そして、ストレスマネジメントや生活を整えるための具体的なセルフケア方法も提案されています。
まとめ
支える側が心を守ることは、決して自己中心的ではありません。支える人が健康であることが、支えられる人の回復を助けるのです。『もらいうつ』は、家族やパートナー、管理職、介護者、そして医療関係者に向けて、うつ病の理解を深めるための貴重な一冊となるでしょう。ぜひ参考にして、実生活に役立ててほしいと思います。
書籍詳細
- - 書名:『もらいうつ』
- - 著者:髙橋一志
- - 発売日:2026年9月1日
- - 出版社:方丈社
- - 定価:1,650円(税込)
- - ISBN:978-4-910818-44-3
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著者プロフィール
髙橋 一志(たかはし・ひとし)氏は、東京女子医科大学准教授であり医学博士です。心身の健康を守るため、医療に携わる人々の支援にも力を注いでいます。