江戸幕末を舞台にした新たなグルメ小説『お茶漬けざむらい』の魅力
2025年5月13日(火)、光文社文庫から特異なタイトルの新作小説が登場します。その名も『お茶漬けざむらい』。著者は、編物講師でもある横山起也氏です。彼は2023年に発表した『編み物ざむらい』で、第12回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろし新人賞を受賞し、着実にファンを増やしている作家です。この新作は、横山氏がついに踏み込む新たなグルメジャンルを舞台にしています。
物語の舞台は江戸幕末。時代は黒船来航以降、尊王攘夷や勤王佐幕といった思潮が交錯し、人々の心も揺れている混沌とした時代です。主人公は、舌の良さだけが取り柄の若い武士・妹尾未明(せのお・みめい)。彼は一夜の縁で出会った人気絵師・河辺仁鶴(かべ・にかく)の支えを受け、自らの“武芸”である「お茶漬け」を駆使して、数々の難題を解決していきます。こうして、未明は「お茶漬けざむらい」と呼ばれるようになります。
しかし、物語は順調には進みません。未明の前に立ちはだかるのは、将軍の食を司る膳奉行・四条園城魯山(しじょうそのしろ・ろざん)の長男・華山(かざん)。彼との舌勝負は、果たしてどうなるのでしょうか。
横山起也氏は著書の中で、幕末の激動の中、主人公が「お茶漬け」という小さな力を使ってどこまで活躍できるかを描くことに不安を抱いていました。しかし、実際に書き進めてみると、予想以上の展開が待っていたといいます。「お茶漬け」は一見平凡かもしれませんが、意外にも大きな影響力を持っていると感じたのです。この物語を通じて、未明が生きづらい時代の中でどのように成長していくのか、そして「お茶漬け」が人々の心にどのように響くのかを楽しみにしていてください。
本書の構成と各章の内容
『お茶漬けざむらい』は、全8章で構成されています。各章では、さまざまな茶漬けのバリエーションが紹介され、ストーリーが展開されていきます。
- - 第一章:海苔の茶漬け では、未明が最初に挑戦する茶漬けの特徴が語られます。
- - 第二章:ぺそら漬けと水まま一 、第三章:だしの茶漬け では、さらに難易度の高い茶漬けに挑む未明。
- - 第四章:ぺそら漬けと水まま二 、第五章:牡蛎の茶漬け 、第六章:鮪の茶漬け では、彼の成長と試練が描かれます。
- - 第七章:刺身の茶漬け 、第八章:茶漬け屋の茶漬け では、最終局面へと向かいます。
さらに、著者の横山氏はこの書籍発行に寄せたメッセージも寄せています。彼は、江戸幕末の困難な時代背景をもとに、非常に現代的な視点で物語を描いていることを強調しました。
著者について
横山起也(よこやま・たつや)氏は、小説家であり編み物作家としても知られています。NPO法人LIFE KNITの代表理事や、編み物に関するYouTubeチャンネルでの顧問としても活動しています。彼の作品群は、歴史的な要素と現代の視点を巧みに融合させており、これからも目が離せません。
書籍情報
- - 書名:『お茶漬けざむらい』
- - 著者:横山起也
- - 発行:光文社
- - 発売日:2025年5月13日(火)
- - 定価:814円(税込)
- - 形式:文庫
- - 購入リンク:Amazon | 楽天ブックス
この新作小説が、どれほど多くの読者に支持されるのか、今から楽しみです。