冨永愛が体験した高知の民間信仰「いざなぎ流」
毎週水曜の夜10時に放送される「冨永愛の伝統to未来~ニッポンの伝統文化を未来へ紡ぐ~」では、冨永愛が高知県香美市物部町を訪ね、この地域特有の民間信仰「いざなぎ流」の秘密を深く掘り下げます。特に10月8日と15日の放送では、冨永愛自身の体験を通じて、いざなぎ流の魅力が紹介される予定です。
冨永愛が足を運んだのは、香美市物部町に位置する「まきの宿」。この宿では、地域に代々伝わるいざなぎ流の伝統を学ぶことができます。宿の体験プログラムには、祈祷の際に用いる御幣(ごへい)の切り方や、いざなぎ流舞神楽の舞い方などが含まれています。
いざなぎ流は、陰陽道や修験道、神道、密教などの要素が組み合わさって成立した信仰です。「いざなぎ」という名前は、いざなぎ流を象徴する「いざなぎ祭文」に登場する大神に由来しています。この祭文によれば、占いを得意とする天中姫宮が、祈祷の技術を学ぶために天竺へ旅立ち、いざなぎ大神から神秘的な祈祷法を受け継いだと伝えられています。そして、その技術を習得した者を「太夫」と呼び、代々口伝でその知識は受け継がれてきました。いざなぎ流は、昭和55年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。
太夫は地域の家庭を訪れ、神を祀り病気治療のための祈祷などを行います。昔は多くの家庭で病気になると、病院ではなく太夫を招き、祈祷を受けることが一般的でした。
しかし、現在のいざなぎ流は存続の危機に直面しています。太夫の高齢化が進む中、後を継ぐ者が現れず、訪問祈祷の光景も減少しているのです。物部いざなぎ流神楽保存会の会長、佐竹美保さんは、数世代にわたり受け継がれてきたこの伝統を守るため、子どもたちに舞神楽を教える活動を行っています。
冨永愛が実際に体験した「御幣切り」は、御祈祷の際に使用される神や精霊を模した切り紙です。御幣の形は祈祷の内容によって異なり、200種類以上もの形が存在します。冨永愛は「天神の払い幣」を切ることに挑戦しました。上手く切れたものを「生き幣」、そうでないものを「死に幣」と呼び、祈祷の効果に影響を与える重要な意味を持ちます。果たして彼女が切った御幣は生き幣になるのでしょうか?
さらに、4人の太夫が集まり、いざなぎ流の舞神楽を披露します。太鼓のリズムに合わせて繰り広げられる舞は、神秘的な雰囲気を醸し出します。この体験に、冨永愛は「とても不思議で神秘的な気持ちになりました」と語っています。
2025年1月3日には、高知県立美術館ホールで略式御祈祷神楽の公演も計画されています。ステージ周りにしめ縄を使って結界を設け、御幣を飾ります。普段は1週間かけて行う御祈祷が1日で行われ、練習を重ねてきた子どもたちも参加。会場は大盛況で立ち見が出るほどですが、太夫の高齢化故、今後これが最後の公演になるかもしれないと佐竹さんは懸念を示しています。
冨永愛は「主に民間信仰は地域に根付いた貴重な宝。私が体験することで、未来に繋ぐべき重要な文化であると再認識しました」と感想を述べています。今回の放送を通じて、いざなぎ流の魅力がより多くの人々に伝わることを期待したいです。
「冨永愛の伝統to未来~ニッポンの伝統文化を未来へ紡ぐ~」は、BS日テレで10月8日と15日の水曜日に夜10時から放送されます。また、番組の公式SNSでは、撮影時の冨永愛の貴重なオフショットも公開中です。