新たな視点から迫る末梢神経外科
2026年4月20日、株式会社医学書院から新しい医学書『末梢神経外科×神経科学 Brain Science Based Hand Surgery―なぜ再建しても機能は回復しないのか』が出版されます。著者は手外科・末梢神経外科の専門家である平田仁氏です。本書は、整形外科の診療における最重要テーマの一つ、「手術は成功したが、機能が回復しない」という現象を、脳の機能変化という新たな視点から解明しようとしています。
機能回復のメカニズムを探る
一般的に、手術が成功し、治療がうまくいった場合でも、患者が期待する動きが実現しないことがあります。平田氏はこの問題に対処するため、末梢神経の障害がどのように脳機能の変化と関連しているのかを探求します。これまでの研究に基づき、胎生期から老年期にかけてのあらゆるライフステージにおける最適な治療法を考察しており、これにより新たな治療戦略が見えてくることが期待されます。
脳機能と運動器システム制御の関係
本書では、運動器システム制御が中枢神経系、特に脳の発達や退化に大きく影響されるという観点から、心と体のつながりを深く理解することが促されます。整形外科医として多くの症例を取り扱う中で、脳を中心に据えた新たな運動器の理解を得ることで、脊椎や脊髄に関連する疾患、運動機能に伴う痛み、さらに外傷後の機能障害への治療アプローチが革新される可能性があります。
本書の構成
本書は二部構成となっており、第一部では、中枢神経の視点から末梢神経外科を再考し、特に手術後に見られる機能回復のプロセスを詳細に掘り下げています。また、末梢神経の損傷についても、胎児期から思春期、さらには成人期における医原性の損傷について触れ、各時期の特性を論じます。
第二部は脳の可塑性を支える神経科学に焦点を当て、脳がどのように運動機能に対する感覚を集め、再構築しているのかを解説します。アロスタシスやエピソード記憶、巧緻運動の神経基盤など、幅広いテーマが扱われており、脳と神経系の相互作用についての深い洞察が得られる構成になっています。
整形外科への新たな貢献
整形外科医にとって重要な一冊である本書は、脳機能の視点から手外科を捉え直すことで、日常の診療に新たな視座をもたらすことが期待されています。平田氏の豊富な臨床経験に基づく知見は、医療従事者にとって貴重な資源となり、今後の治療戦略に新たな風を吹き込むでしょう。
書誌情報
- - 書名: 末梢神経外科×神経科学 Brain Science Based Hand Surgery―なぜ再建しても機能は回復しないのか
- - 著者: 平田 仁
- - 発行月: 2026年4月
- - 判型: B5
- - 頁数: 216
- - 定価: 13,200円
- - ISBN: 978-4-260-06537-5
- - 発行元: 医学書院
医学書院は1944年の創業以来、医学・医療情報の提供を通じて、社会の福祉に貢献することを使命としています。多様なコンテンツを展開する中で、本書は新しい知識を求める医療専門家にとって必携の書となるでしょう。