特別防犯支援官 伍代夏子氏の警告
最近、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺が全国で急増しており、特に「警察をかたる詐欺」が多発しています。この現状を受け、特別防犯支援官である伍代夏子氏がパーソナリティを務めるNHKのラジオ番組「ふんわり」において、増加する詐欺の最新手口とその対策について警鐘を鳴らしました。番組にはジャーナリストの多田文明氏も出演し、知識をもとにした具体的な対策を紹介しました。
最新の詐欺手口
特に注意が必要なのは、警察を名乗る詐欺の巧妙化です。この手口では、電話越しに「マネーロンダリングの容疑がかかっています」と言って脅し、その後LINEに誘導します。さらには、LINEでのビデオ通話を通じて制服姿の警察官を装い、自らの信頼を得るという手法です。多田氏によれば、被害者は無実を証明したい一心から、個人情報をむやみに話してしまうことが多いとのこと。
伍代支援官はこうした詐欺に対し、「本物の警察がLINEで他者との捜査情報をやりとりすることは決してありません。また、ビデオ通話で逮捕状を見せてくることも絶対にありません」と警告しています。また、警察専用ダイヤルを偽装してくる手口の存在にも注意が必要です。詐欺師は本物の警察番号を偽装するため、安易に電話番号で判断してはいけません。
SNSを利用した詐欺
さらに、SNSを起点に働きかける投資詐欺やロマンス詐欺も急増しています。著名人の広告を利用し、LINEグループへ誘導した後には「儲かった」という情報を示しながら、実際には偽の投資サイトへ誘導する方法が一般的です。この手口では初めの少額投資で実際に利益を得させ、信頼感を高めた後に高額投資を促し、最終的には出金できなくなる詐欺が横行しています。被害額は億単位になることもあり、一筋縄ではいきません。
ロマンス詐欺も巧妙化しています。特に紛争地域にいる外国人を装った詐欺師が「日本に行きたい」と金銭を求める手法です。親密になった被害者は、しばしば見抜くことができずに何十通もメールをやり取りしてしまうことが多いです。伍代支援官は、「実際に会ったことがない人との金銭的なやり取りは非常に危険。恋愛感情を利用したり、金銭の話をすることはやめましょう」と警告しています。
自衛策
では、被害を未然に防ぐためにはどのような対策が有効なのでしょうか?
- - 怪しい電話は即座に切る: 会話を長引かせるのは危険です。
- - 個人情報を決して教えない: 特に銀行情報や預金額を問われても絶対に教えないこと。
- - 警察の行動を把握する: 警察はLINEで連絡したり、ビデオ通話で逮捕状を示すことはありません。
- - SNSでの出会いには注意: 知らない人との金銭のやり取りに応じない。
- - 少額でも疑わしいサイトには投資しない: 最初は利益が出ても、それは罠です。
- - おしゃべりが好きな人は注意: 詐欺のターゲットになりやすいので、疑うことが大切です。
- - 海外からの電話を防ぐ: 不要な国際電話を受け取らないための申請を忘れずに。
特別防犯支援官として、伍代夏子氏は私たちに身近な詐欺から身を守るための具体的な対策を提案しました。私たち一人ひとりが意識を高め、防犯対策を講じることが、詐欺を防ぐ最良の方法かもしれません。