ROSTOの影響力と遺産を称える特集上映<存在証明>が開催決定!
オランダの映像作家ROSTO(ロスト)の遺作『四つの悪夢』とその周辺に関するドキュメンタリーが一堂に上映される特集上映<存在証明>の開催が決定しました。これにより、ROSTOの作品の独自性と多面的な魅力を幅広く観ることができる機会が訪れます。彼の創作の根底には、自らの制作スタジオ“ROSTO A.D’s”での数々の映像作品があり、そのすべては『Mind My Gap』というコンセプトに基づいています。
ROSTOとは?
1969年に生まれたROSTOは、1990年代初頭から自身のスタジオを拠点に、CF(コマーシャルフィルム)やミュージック・ビデオを手掛けていました。その後、彼の短編映画「(伝説の)アングロビリー・フィーバーソンの興亡」(2002年)や「ジョナ/トムベリー」(2005年)が国際的な映画祭で評価され、特にカンヌ国際映画祭で受賞したことで、彼の名は世界中に広まりました。これらの短編は、グラフィック・ノベル、映像、音楽を融合させたミクスドメディア・プロジェクトの一部であり、現代のアートとしても注目を集めていました。
15年の歳月を費やした作品たち
受賞後も彼は、はるか昔に所属していたパンク・バンドTHE WRECKERSに着想を得て、彼らを“黄泉の国”から呼び戻しました。それにより、『Mind My Gap』のスピンオフ作品として4つの短編からなる『THEE WRECKERS TETRALOGY』が完成したのは、彼が15年もの歳月をかけた成果です。彼の作品は、映像と音楽が密接に絡み合い、見る者に強烈な印象を残します。
ROSTOの急逝と後の展開
しかし、彼は2019年に病気により急逝。その死は、多くのファンや関係者に衝撃を与えました。ROSTOを敬愛してやまない友人のミハエル・シュマーキンは、彼の作品とドキュメンタリーをまとめ、特別仕様の書籍『Mind My Gap』を制作しました。同時に、彼の遺作『四つの悪夢』とドキュメンタリーは、コロナ禍のヨーロッパで上映され、彼の生前の才能や影響力を再評価する場となりました。
特集上映の詳細
今回の特集上映<存在証明>では、『四つの悪夢』とドキュメンタリー『すべてが変わったようで、何も変わっちゃいない』が上映されます。『四つの悪夢』は、45分のカラー版で、英語・日本語字幕も付いています。また、ドキュメンタリーは20分間で、ROSTOやTHEE WRECKERSの魅力を掘り下げています。上映は2020年の秋から、シアター・イメージフォーラムにて行われ、全国での公開も順次行われる予定です。
ROSTOの遺産を感じる機会
この特集上映は、ROSTOが残した唯一無二のアートを楽しむ貴重な機会であり、彼の独特な視点がどのように作品に表現されているのかを実感できる場です。また、彼の死後も続くクリエイティブな影響力を感じることができるでしょう。ROSTOの作品に親しんでいた方はもちろん、まだ彼の作品に触れたことがない方にもお勧めです。この機会に、彼の創作した世界をぜひ体験してみてください。