玉井健二が語るAIと音楽の未来 - SxPARK Fes 2025の舞台裏

2025年9月17日、大阪・梅田で開催された「SxPARK Fes 2025」において、agehaspringsのCEOであり音楽プロデューサーの玉井健二がトークセッションに登壇しました。このイベントは、世界で活躍するテクノロジー人材の育成を目的とする「SxPARKプロジェクト」の一環で、都市・アート・テクノロジー・音楽が交錯する空間を提供しました。国内外から集結したスタートアップの関係者やクリエイターたちが、新たな未来を形作るための議論を交わしました。

トークセッションの概要

このトークセッションのタイトルは「未来を切り拓くクリエイティブ思考～なぜ私たちはAIと創るのか？」で、玉井と株式会社CrestLabのCEOである坂東裕太氏が登壇しました。ファシリテーターにはFM802のDJ、大抜卓人氏が担当し、セッションは大阪駅直結のロートハートスクエアうめきたで行われました。

AIとクリエイティブの融合

玉井と坂東の両者は、異なるフィールドにおいてAIがどのようにクリエイティブな活動に取り入れられているかについて話を展開しました。玉井は、AI作曲サービス「FIMMIGRM（フィミグラム）」について紹介し、AIが創作活動における新たな可能性を広げる存在であると強調しました。「AIは創作を置き換えるのではなく、表現の幅を広げる手段です」と彼は語り、AIがもたらす音楽流通の革新や次世代クリエイターの発掘についても触れました。また、AIアーティスト・白神芽音の楽曲制作の事例も交えながら、一歩進んだ取り組みを明かしました。

一方、坂東氏も「AIはクリエイターが本来の創作に集中できる環境を提供するための重要なツールです」と述べ、AIによる制作プロセスの効率化をポジティブに捉えています。二人の対話は、AIを利用した新たな創造のあり方を探求するものであり、参加者にはその姿勢が強く共鳴しました。

未来への展望

トークセッションの終盤、玉井は「AIによって人間と共創することで、未だかつてない表現が誕生する」との希望を述べ、会場からは熱い拍手が送られました。今回のセッションは、AIとクリエイティブ分野の融合が新たな産業モデルや表現の領域を生み出す可能性を示唆しています。彼が提起した「テクノロジーを創作の可能性に変える」観点は、音楽界を越えて多くの参加者に影響を与え、未来の創造に向けた具体的なヒントを提供しました。