日本国語大辞典 第三版 改訂プロジェクト始動!
日本国語大辞典の新しい第3版の改訂プロジェクトが、2032年という小学館の110周年に向けてスタートしました。この改訂には新たに選ばれた編集委員4人が加わり、辞典が持つ役割の重要性と日本語の進化に寄与していくことが期待されています。
編集委員の新メンバー紹介
2024年7月に発表された金水敏編集委員と近藤泰弘編集委員に加え、新たに田中牧郎、日高水穂、前田直子、山本真吾の4名が新編集委員として選任されました。彼らはそれぞれ、語彙論、言語学、方言学などの分野で長年の研究を積み重ねてきた専門家です。
1. 日本語の変遷を捉える田中牧郎
田中牧郎氏は、「文献資料で千数百年間の変化がたどれる日本語の歴史」を重視し、辞典を通じてその移ろいを捉えようとしています。現代社会の影響も受け、辞典がどのように進化するかに注目が集まります。
2. 多様な日本語を描く日高水穂
日高水穂氏は方言の重要性に焦点を当て、地域ごとの多様性を反映する辞典の特徴を強調します。方言が時代とともに変化する中、その記録がどのように行われていくのかが問われたのです。
3. 日本語を使う全ての人々のために前田直子
前田直子氏は、「日本語に触れ、日本語を使い、楽しむ全ての人々」に向けた辞典作りを目指しています。日本語を学び、楽しむすべての人々のために死ぬまで向き合う覚悟です。
4. 確かな台帳を目指す山本真吾
山本真吾氏は、最新の編纂技術を用い、いにしえから現代に至る日本語の「確かな台帳」を目指すと語ります。同時に、より正確な知見と新しい資料の導入も約束されています。
「2025 日国 春の辞典シンポジウム」の内容
この新プロジェクトの一環として、2025年3月21日(金)18時から、「2025 日国 春の辞典シンポジウム」が東京・神保町の日本出版クラブビルで開催されます。
シンポジウムのテーマ
シンポジウムには、かつて日本語学や辞典編纂に貢献した著名な専門家や作家も参加し、辞書の未来について熱い討論が繰り広げられます。参加費は無料ですが、事前申し込みが必要です。
新しい辞典の展望
この改訂プロジェクトは、ただの言葉の集成ではなく、時代を超えて日本語の本質を捉え、多様な日本語の経路を示すものとなることを目指しています。日本語の変化と発展がますます重要視される現代社会において、『日本国語大辞典 第三版』はその中心的な役割を果たすことでしょう。
未来を見据えた新編纂
この新しい辞典は、ただの言葉の集まりではなく、文化・歴史・社会が交差する場所としての存在感を示すことになるでしょう。今後のプレスリリースや公式ウェブサイトでの情報公開にも注目が集まります。