改めて注目集める『小説 野性時代』6月号
2025年5月25日(日)、株式会社KADOKAWAから月刊文芸小説誌『小説 野性時代』の電子版6月号(vol.258)が配信される。この号には、文壇で今最も注目されている作家たちによる連載が満載で、特に恩田陸の代表作『産土ヘイズ』は物語が佳境に入り、その終章が読者を引き込んでいる。
注目の連載
恩田陸『産土ヘイズ』
この作品は現代日本のミステリーとして位置付けられ、特に「KYOMU」という新たな概念を通じて社会の深い部分に触れるものです。恩田陸が紡ぐ言葉には、いつも独特のリズムと情緒が宿っており、今回もその魅力は衰え知らず。
この号では、登場人物たちがさらに自分自身の運命と向き合い、新たな展開が期待される。読者は彼らの成長と変化を見守る中で、ミステリーの神話がどのように再構築されるのか、その行方に目が離せない。
安部若菜『描いた未来に君はいない』
次に注目したいのが、安部若菜の『描いた未来に君はいない』。主人公は冴えない高校生の鳴海で、彼の日常に転校生の奈海が加わり、物語にさらなる深みを与えている。二人が体育祭をサボって電車に乗り込む場面から始まるこの物語は、青春の葛藤や心の内面を細かく描写している。
多くの読者が共感を覚える要素が詰まっており、現代の若者たちが直面するどこか不安定な未来を映し出している。
阿津川辰海『デッドマンズ・チェア』
次にご紹介するのは、阿津川辰海による警察小説シリーズ第2弾『デッドマンズ・チェア』だ。コトダマを駆使するキャラクターとその仲間たちが、人質を使って迫る敵に立ち向かう物語は、緊張感と興奮が絶えない展開です。能力者同士のバトルは、読者のハートを鷲掴みにすること間違いなし。
蝉谷めぐ実『見えるか保己一』
最後に、蝉谷めぐ実が描く新鋭作『見えるか保己一』は、盲目の学者が纏う独自の視点での世界観が魅力的だ。主人公の千弥は、学びへの想いをお師さまに伝える姿が印象的で、新しい生き方の提案ともなっている。この作品は、読者にとって新たな発見をさせること請け合い。
書誌情報について
『小説 野性時代』の配信は毎月25日で、6月号の価格は385円(本体350円+税)。電子書籍としてダウンロードできるほか、「角川文庫・ラノベ読み放題」や「カドブン」、「カクヨム」、「note」といったサイトでも展開予定。これからの読書シーズンにぜひ手に取ってみてほしい。
彼らの物語がどのように発展していくか、期待を持って待っていよう。