チャップリンの名作が文楽として初めて舞台に
7月18日から8月9日まで、国立文楽劇場にて開催される【Bunraku Summer Festival】の一環として、チャールズ・チャップリンの名作映画『街の灯』を原作とした新作文楽『まちの灯』が上演されます。この作品は世界初演となり、多くの観客の期待を集めています。
公演に先立ち行われた取材会では、主催者である公益財団法人文楽協会の田端事務局長が公演の趣旨や『まちの灯』の制作に至る経緯を説明しました。脚本・演出を手掛ける大野裕之氏は、文楽とチャップリンのコラボレーションに胸を踊らせています。「完全にチャップリンであり、完全に文楽である作品を作りたい」との思いを語り、長年の夢がひとつの形になる喜びを表現しました。
演出の大野裕之氏は、チャップリンの作品を文楽として表現することへの意気込みを明かしました。彼は師匠たちとの交流を通じて、このプロジェクトが現実となることを心より願っていました。これまでに『街の灯』が歌舞伎として舞台化された経験を踏まえ、チャップリンの深い愛やユーモアを文楽の中でどのように表現するかは非常に重要です。「この物語に込められた無償の愛を、観客に伝えることが私の使命です」と語る大野氏に、出演者たちも同様に強い情熱を持っています。
声優陣の熱い思い
豊竹若太夫氏は、脚本を義太夫節に変換する役割について、「改めて観た『街の灯』には、ただのコメディや悲哀を超えた究極の愛が表現されている」と語ります。この作品を通じて、新たな観客層に文楽の魅力を伝えたいと考えており、「文楽ファンが増えるきっかけになるはず」と確信しています。
桐竹勘十郎氏も、チャップリンの映画から影響を受けたことを熱く語りました。彼は名作『黄金狂時代』を観た際のショックを思い起こし、その影響を受けた自らの成長を感じたと述べます。また、与次郎役などの人形の表現について、クリエイティブなプロセスに参加しており、多くの意見を取り入れて観客に伝えたいと考えています。
鶴澤友之助氏は、音楽面での取り組みについて言及。元々西洋音楽を背景に持つ彼は、古典的な義太夫節を基盤にしながらも、チャップリンの映画音楽のエッセンスを取り入れ、革新性を追求しました。「観客に楽しんでもらえる音楽を目指し、義太夫節に自然に溶け込む旋律を考え抜いた」とのことです。
公演の詳細
『まちの灯』は、国立文楽劇場で7月18日(土)から8月9日(日)まで開催されます。公演のスケジュールは午後6時開演、午後8時25分終演予定。料金は一般6,000円で、学生4,200円となっています。障害者の方には割引も用意されており、チケットは国立劇場チケットセンターで手続きできます。インターネット予約も可能で、詳細については公式サイトで確認することができます。
ぜひこの機会に、文楽とチャップリンの融合した新たな舞台を観に足を運んでみてください。