大正時代の博多を舞台にした新たなホラーミステリー
2025年3月31日、株式会社竹書房から著者・嗣人による新作『文豪は鬼子と綴る』が刊行される。この作品は、耽美なホラーミステリーとして、大正時代の博多を舞台に展開し、読者を魅了すること間違いなしだ。物語は、変わり者の作家と毒舌の少年助手の奇妙なコンビが人喰い化物に関する事件を追いかけていくという独特な設定で描かれている。
あらすじ
時は大正十年、博多の街が賑わう中、優等生である少年・瀬戸春彦は、作家として名を馳せながらも世間から隔絶された生活を送る香月蓮の元へ原稿を届ける役目を命じられる。香月の偏屈な性格とは裏腹に、春彦のその物言いは香月の心を惹きつけ、小説のネタ探しを手伝う助手としての役割を果たすことになる。二人は、連続バラバラ殺人事件や歩き巫女の存在といった町の噂に飛び込み、その真相を追うこととなる。しかし、この事件には恐ろしい闇が隠されていた。
物語の深み
『文豪は鬼子と綴る』は、ただのホラーミステリーではない。民俗学的な要素が絡み合ったストーリー展開が見どころの一つで、遊女たちの怨念から生まれた呪具がカギとなる。物語は、香月と春彦が互いに補い合うことで成長し、絆を深めていく様子を描写し、読者の心に感動を与える。特に、毒舌でありながら利発な春彦と、おっとりした香月のコンビネーションは、会話の中での軽妙なやり取りやボケとツッコミの妙が楽しめる。
舞台設定の魅力
大正時代の博多は、西洋の文化に加え、日本古来の美しさが交錯し、特異な雰囲気を醸し出している。物語は、リアルに再現されたこの時代の博多を舞台にしており、沁み込むような感覚で物語の世界に引き込まれる。また、物語を進める中で、登場人物とともに博多の街を巡る楽しさも与えてくれる。
特典情報
書店で一部配布されるQRコード付きカードには、嗣人による書き下ろし小説が読み込まれている特典も存在。読者はこの特典を手に入れることで、さらに物語の奥深さを楽しむことができるだろう。
このように『文豪は鬼子と綴る』は、単なるホラーミステリーという枠を超えた、深いテーマ性や設定を持つ一冊だ。ぜひ、この美しいが恐ろしい物語の中に飛び込んでみてほしい。あなたを魅了することは間違いない。