音楽と文学が交差する瞬間が訪れました。人気ロックバンド・クリープハイプの新作EP『仮のまま定着したような愛情で』に収録される曲「痛々しいラヴ」は、昨年12月に他界した漫画家・魚喃キリコさんへの追悼の思いを込めた作品です。ボーカルの尾崎世界観がこの曲を自身の気持ちを吐露する形で書き下ろしました。
この新曲の発表に際し、尾崎さんは作家・千早茜さんに協力を頼みました。二人は共作小説『犬も食わない』の作者同士としての絆を持っており、その作品の文庫カバーには魚喃さんのイラストが使われていました。その影響もあり、今回のプロジェクトは更に特別なものとなっています。
新潮社のWEB文芸誌「yom yom」では、魚喃キリコさんを追悼する特集が行われ、「痛々しいラヴ」と千早茜さんによる特別寄稿「Water」が掲載されます。この特集は6月30日(火)19:00に公開され、尾崎さんと千早さんのメッセージや、『犬も食わない』からの試し読みも含まれる予定です。
大きな影響を受けた魚喃さんの作品へ感謝を込めた「痛々しいラヴ」について、尾崎さんは次のように語っています。「この曲を作るのはいいのか迷ったが、書かずにはいられなかった。『書く』と『描く』は異なるが、歌うことで二つの距離を縮めたい。千早さんが新しい作品を書いてくれたことで、自分の過去に向き合うことができ、救われた気持ちです。」
また千早茜さんも、魚喃さんの作品が自らの二十代を代表するものであったことを語っています。彼女は、魚喃さんが亡くなって新作が読めないという現実に苦しみつつ、尾崎さんとのコラボレーションで自分の気持ちに向き合う機会が得られたと述べています。「私たちが愛してやまない人間の孤独や恋愛の難しさについて描いた物語を短い形にまとめました」と言い、魚喃作品が描く優しさについてもふれています。
今回の特集を記念して、7月からは『犬も食わない』が新たな帯付きで販売される予定で、より一層注目を集めることでしょう。
この特集があなたにとっても、新たな発見や感動をもたらすことを願っています。それでは、尾崎世界観さんと千早茜さんが織り成す共演に、ぜひご期待ください。